今や最もファイターズらしい選手に― 日ハム大田「泥臭くというのは大事」
本塁打数に加えて安打数も過去8年を上回る勢い
今季の開幕は故障で出遅れ、1軍昇格後しばらく打率が2割を下回っていたが、辛抱強く起用し続けた栗山監督の期待に応え、4月29日の楽天戦で待望の移籍後初本塁打を放つ。その試合から6試合連続で安打を記録するなど徐々に調子を上げていき、新天地でついにスタメンの座を手中に収めた。
大田は、その後も随所で印象的な活躍を披露する。5月12日の千葉ロッテ戦では、かつての本拠地・東京ドームで、プロ初となる1試合2本塁打を記録。1番に入った6月10日の巨人戦では、古巣相手にプロ入り後2度目となる初回先頭打者本塁打を放った。前半戦の時点で、過去8年の通算本塁打数を上回るシーズン10本塁打に到達。安打数もすでに60本と、こちらも今季1年のみで昨年までの8年間の合計を上回りかねない勢いだ。
ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取る気迫溢れるプレーや、誠実な人柄が窺えるヒーローインタビューなどで、首脳陣のみならずファンの心も着実につかんでいる。まだまだ大田のプロ生活は続くが、周囲の高い期待に応え切れなかった“巨人の大田”は、もはや過去のものとなりつつある。ここからまたさらに調子を上げ、キャリアハイのシーズンをさらに素晴らしいものとしていけるか。まだまだその可能性は未知数な、“北海道日本ハムの大田”の挑戦はこれからも続いていく。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)