華やかな舞台の裏で― アマチュア球界に技術&ノウハウ伝達する日本ハム

移転14年目で通算1000勝、北海道に根付く日本ハムの今

 主催している北海道野球協議会は、この見学会をさらに有意義な形に進化させたい考えだ。見学した選手からは「あれはどんな意図でやっているんだろう」といった疑問の声が上がっているという。ティー打撃一つとっても選手それぞれ特徴的な打ち方があるからだ。その意図や狙いについて、選手や指導者があれこれ考えることだけでも勉強にはなるだろう。でも、答えがあれば、もっといい。同協議会は集めた疑問や質問を当該選手やコーチに答えてもらい、全体にフィードバックできないか模索している。

 さらに、同協議会は選手以外にも目を向けている。今回初めて日本ハムのアナウンス担当者を招いてアナウンス講習会を企画した。日本ハムの帯広開催の翌日27日に北海道高校野球連盟十勝支部に所属する野球部マネジャーを対象に実施。帯広大谷-白樺学園高の練習試合が行われる中、球団職員の南谷彩佳さんが様々なケースでのアナウンス方法を伝え、マネジャーからの疑問にも答えていた。

 北海道に移転14年目で通算1000勝を達成した日本ハムは、多くの感動的な試合でファンを魅了してきた。その華やかな舞台の裏では、アマチュア野球界に技術やノウハウを伝達することで、地域密着と社会貢献を実現しようとしている。

※NPO北海道野球協議会
野球を通じて青少年の健全な育成を目的に2000年に発足。日本野球連盟北海道地区連盟、北海道学生野球連盟、札幌学生野球連盟、北海道高等学校野球連盟、北海道軟式野球連盟、札幌市少年軟式野球連盟、日本少年野球連盟ボーイズリーグ北海道支部、日本リトルシニア中学硬式野球協会北海道連盟、ポニーリーグ北海道連盟、北海道女子軟式野球連盟、北海道還暦野球連盟、札幌市中学校野球協議会、北海道少年軟式野球連盟、北海道専門学校野球連盟、北海道地区大学準硬式野球連盟、札幌ソフトボール協会、全国野球振興会、北海道日本ハムファイターズの18団体が加盟。日本ハムの練習見学会のほか、少年野球選手を対象にした肘検診、指導者講習会など行っている。柳俊之理事長。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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