華やかな舞台の裏で― アマチュア球界に技術&ノウハウ伝達する日本ハム

釧路市民球場では19チーム350人が練習見学に参加した【写真:石川加奈子】
釧路市民球場では19チーム350人が練習見学に参加した【写真:石川加奈子】

好評博す日本ハムの練習見学会、球団が進める地域密着と社会貢献

 NPO法人北海道野球協議会が、日本ハムの協力を得て小、中、高校生を対象に練習見学付野球観戦招待を行っている。プロの練習を観察することで、レベルアップに役立ててもらおうという試み。昨季は札幌ドームの13試合で約5000人が練習見学に参加したが、今季は地方ゲームにも広げ、今月25日の釧路には19チーム350人、26日の帯広には2チーム35人が足を運んだ。

 8年ぶりに公式戦が開催された25日の釧路市民球場。午前9時過ぎに三塁側スタンドにユニホーム姿の一団が陣取った。レフト付近で行われていた日本ハム選手のアップに真剣な眼差しを注ぐ。アップが終了すると、今度はバックネット裏最前列へ移動。全体練習を食い入るように見つめていた。

 140キロ離れた北見を朝5時30分に出発してきたという北見工高の永井寛達主将(2年)は「スイングの速さに驚きました」と目を丸くした。ただ驚くばかりではない。何かを盗もうと必死に観察していた。「ストレッチを念入りにしていましたね。あの腸腰筋のトレーニングはチームの練習に取り入れたいです。打撃練習では、中島選手が動きながら打っていたのが印象的でした。自分が何をしたいのかという意識が高いと感じました。ためになります」と収穫はたくさんあった。

 26日の帯広での練習を見学した帯広農の永井壱磨主将(2年)も中島の打撃練習に目を奪われた。「逆方向に打っているのを見て、そういう特化した練習をしているから武器をつくれるのだと思いました」と感想を語る。さらに全体的な練習の進め方にも着目。「バッティング練習をしている中で、ノックを打っていて無駄がないですよね。守備練習ではいつも捕るだけでしたけど、ああいう風にネットを置いて、投げるところまで一連の動作で練習した方がいいなと思いました」と今後のチーム練習の参考にしていた。

野球人口減少に歯止めをかける一助に―

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