甲子園Vから2年 オリ「吉田カルテット」最年少、20歳右腕が描くビジョン

1軍への距離は「まだ遠い」、その理由は…

 こちらの質問の内容に考え込むことなく、返答してくれるテンポの良さ、話してくれる顔の表情に、彼自身自分が取り組んでいることが、しっかりと理解できているのが容易に感じられた。

「野球を始めてからずっとピッチャーをやってきて、高校1、2年の頃が人生の中で一番調子が良かったので、それに比べたらあの頃に負けていないというか、むしろ今年の方が良いと思います。あの頃は確かにスピードが出ていたり、三振が獲れたりしていましたけど、今はまた違った部分でレベルアップできているなと感じていますね」

 吉田凌投手が制球力を高めるという、また新たなピッチングの楽しさを感じ始めた。自分自身でレベルアップできていると口にできるほどの手応えを感じているのだ

――メンタル的な自分の成長は?

「ちょっとだけですけど、やれるという自信が湧いてきています。今年になって一試合一試合重ねるごとに増してきています。失敗しても、ここをこう修正すればいいとか徐々にわかってきました」

――監督やコーチからのアドバイスで心掛けていることは?

「宏さん(小林宏コーチ)には『結果が出ても、今やっていることを忘れずに、基本に忠実にしっかりやれよ』と言われて、確かにその時は結果が出ていたんですけど、しっかり自分のベースとなるものを作ろうとやれました。田口監督からは『去年に比べたら2段も3段もステップアップしているんだから、それをもう1段もう2段上がれるようにやっていこう』と言われたので、毎日シャドーを続けています」

 自信をつかみかけているタイミングに首脳陣から送られた言葉によって、ネガティブだと自認していた吉田凌投手が、ポジティブになれています、と話すほどメンタルも充実している。

――1軍への距離感は?

「まだ遠いと思っています」

――そこはネガティブでは?

「いえ、違うんです。1軍で投げてみたい気持ちはもちろんあります。ただ、今年しっかりファームでローテーションを守って、結果を残した上で投げてみたいんです」

 吉田凌投手にはこの先のビジョンがしっかりと見えている。イメージもできている。近い将来立つであろう1軍のマウンドでどんなピッチングを見せてくれるのか。期待が膨らむ。ぜひともオリックス・バファローズ最年少の吉田、♯66吉田凌投手にご注目を。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

「パ・リーグ インサイト」DJケチャップ●文

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