ハム松本が果たす役割 苦しいチーム状況ですくすく育つ、嫌らしい2番打者
敗戦の中で3安打2打点の活躍、相手投手に「いかに神経を使わせるか」
日本ハムの松本剛内野手が5日、本拠地でのオリックス戦で3安打2打点と活躍。4-6の敗戦の中で気を吐いた。
3点を追う3回2死三塁では追い込まれながら、山岡の低めスライダーを抜群のバットコントロールで左前へ運んだ。2点ビハインドの5回には2死二塁の場面で今度は直球を中前へ。直後に一時は逆転となるレアードの2ランが飛び出しただけに、2番・松本のつなぎがひときわ光った。
しっかり狙いとイメージを持って打席に立っている。スライダー狙いだった3回は「カウント球に手を出せずに追い込まれましたが、最後うまく拾えました」とボールゾーンに逃げていく難しい球に対応した。直球狙いだった5回は1球打ち損じてファウルした後に仕留めた。「逆方向狙いでいい感じで打てました」。7回にも内野安打を放ち、今季4度目の猛打賞を記録した。
昨季までのプロ5年間で25試合しか出場していなかったが、今季大ブレイク中だ。すでに68試合に出場して打率.292、20打点、4本塁打をマーク。2番打者としてチームに欠かせぬ存在になった。
単に数字を残しているだけではない。打線の中で自身の役割を把握し、徹している。「自分がつなげば、後ろに一発のあるバッターが揃っているので、今日みたいに逆転もできる。(相手に投手にとって)嫌な状況でつなぐことが大事。自分が打つ、打たないのもあるけれど、(相手投手に)いかに神経を使わせるか」。チームは借金28を背負う苦しい状況にあっても、嫌らしい2番打者はすくすく育っている。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)