北海道とブルキナファソをつなぐ野球の縁、手作りアカデミーから始まる夢

コラボTシャツを販売する北海道ベースボールアカデミー練習生と出合祐太さん(左)【写真:石川加奈子】
コラボTシャツを販売する北海道ベースボールアカデミー練習生と出合祐太さん(左)【写真:石川加奈子】

15年には四国IL高知にラシィナ内野手、16年にはBC新潟にジニオ外野手が合格

 球団と選手会がこの活動に賛同して始まった交流は、今回で5度目を迎える。直接用具を手渡した日本ハム選手会長の大野奨太捕手は「みんなで集めたので、大事に使ってください。野球を通じて交流したいと思いますし、他の国を知ることも勉強になります」と話した。一方、用具を受け取ったアミール内野手(19=ブルキナファソ)は「毎年たくさんの用具をありがとうございます。いつの日か自分たちがファイターズで一緒にプレーできるよう頑張ります」と感謝した。

 実際に“プロ選手”も誕生している。15年にはサンホ・ラシィナ内野手(19)が四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスに、16年にはザブレ・ジニオ外野手(21)がルートインBCリーグアルビレックス新潟にそれぞれ合格した。

「アフリカの子たちは、ちょっとチャンスを与えただけで、自分で勝手にやっていくハングリーさを持っています。身体能力が高くて、120メートル以上打球を飛ばす子もいます。確率の方は勉強中ですけどね」

 そう語る出合さんは、手作りで環境整備を進めている。その過程は、まるで往年の人気ドラマ「北の国から」を地で行くようだ。

 現在の野球場は、長期間使われていなかったグラウンドを整備したもの。自分たちで土を掘り起こし、ふるいにかけて戻すことから始め、クラウドファンディングで集めた70万円を使ってネットを張った。それも古い木の柱をもらってきて、埋めてもらい、ワイヤーを張り、安く譲ってもらったネットをカーテン状に垂らした手製だ。

「お金をかけると、生徒から(お金を)もらわないといけないビジネスモデルになる。きっかけがアフリカの子たちにチャンスを与えたいということだったので、それは違うなと。お金はないですが、夢をもらっています。これからも継続していきたいです」と、出合さんは語る。

日本人選手も12人在籍、農業や観光業を手伝いながら練習に励む

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