8年目のソフトB今宮、「守備の人」から 「走攻守」揃った遊撃手へ
入団時の目標は松井稼、「脇役」から「主役」へと変貌なるか
今宮の能力を語る上で、犠打に関する数々の記録も欠かすことはできない。パ・リーグの最多記録であるシーズン62犠打を2013年、2014年と2年連続で記録。今季の7月には史上最年少となる25歳11か月で通算250犠打を達成するなど、細やかな働きで戦略の幅を広げる役割を全うしてきた。
縁の下の力持ちとしてチームを支える姿が高い評価を受ける一方、打撃面ではプロ入り前の高い期待に完全に応えられているとは言い難かった。本塁打は昨季自身初の2桁を記録したが、打率はこれまで2013年の.253が最高。俊足を持ちながら盗塁数も2013年と2014年に記録した10が最多と、なかなか「守備の人」という印象を拭い切れないでいた。
しかし、今季は主に制約の多い2番を務めながら、ここまで104試合388打数107安打8本塁打、打率.276をマーク。盗塁数も12と、すでに自己最多を更新している。8月13日の北海道日本ハム戦で二塁打を放つまで5試合連続無安打に終わるなど、まだ調子の波は激しいものの、キャリアハイのシーズンとなりそうな気配だ。
入団会見で「目標は松井稼頭央さん。3割30本30盗塁という壁を越えたい。まず2000本安打を打って、さらにその上を目指し、目標高くやっていきたいです」と語っていた18歳の今宮。これから「守備の人」の称号を返上し、楽天の松井稼や同僚の柳田のように走・攻・守三拍子揃ったスターとなれるか。夢を語った会見から8年、「脇役」から「主役」へと変貌を遂げつつある今宮に要注目だ。