巨人ドラ1吉川が定位置奪取に必要なもの 球団OBが考える“条件”とは
レギュラー定着に向けて足も武器に、「チャンスはある」
吉川尚は広い守備範囲と俊足が持ち味。今の巨人のスタメンには、走れる選手が少ないため、レギュラー定着に向けて足も武器になると緒方氏は話す。
「今の巨人のスタメンには、実績や名前はすごい選手が多いですが、走れる選手がいるかといったら、いないですね。2桁盗塁できる選手は何人かいますが、20、30(盗塁)走る選手はいません。それを考えても、チャンスはあると思います」
プロの世界において、「走攻守」の中で1つでは厳しいが、2つあればレギュラーを取れる可能性は高い。これが緒方氏の持論だ。
「プロでは『走攻守』の2つがあればレギュラーになれるんです。1つでは厳しい。例えば、(阿部)慎之助も打つけど、キャッチャーでした。(村田)修一も打って、守りが上手い。(坂本)勇人は打って、ショートを守って、しかも毎年2桁盗塁できる。長野も打撃があって肩が強い。
入団当初には『三拍子揃っている』とよく言われますが、そういう(プロの世界でも全てが秀でている)選手はまずいない。各チームに1人か2人くらいですね。でも、(レギュラーでは)1つしかない、という選手もいない。2つは武器がないと厳しい。吉川尚は今のところ足があるようなので、あとは守備なのか打撃なのか。守備と足があれば、2番で出るチャンスもある。足だけで守備もよくない、打てないだと、チャンスはない。もう1つセールスポイントがあるといいですね」
緒方氏は「大卒のドラフト1位ですから、そういう(即戦力という)目で見られますし、OBとしては残念には思いますけど、(元々)力がないとは思っていないので」と話す。定評のある守備と足で、選手層の厚い巨人の中でレギュラーを掴み取れるか。今後の活躍に注目だ。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)