球界が向き合うべき課題 西武が“野球遊びのきっかけ”作りへ球団初の試み

球団初の試みで深刻化する中学生以下の野球競技者減少に歯止め

 7月21日の北海道日本ハムファイターズ戦。エース・菊池雄星投手の好投での勝利を皮切りに、翌月の4日まで13連勝(59年ぶり)と快進撃を見せた埼玉西武ライオンズ。10連勝を飾った8月1日には、本拠地での観客動員数が100万1525人に到達したと発表した。44試合目での到達は実数発表が導入された2005年以降最速の記録であり、様々な試みが実を結び、好結果につながる形となった。

 そんな埼玉西武ライオンズが8月15日から17日の3日間、本拠地・メットライフドームで行われる楽天イーグルスとの3連戦で「エンジョイベースボールシリーズ」を行うことを発表。“子供たちに野球遊びのきっかけを”というコンセプトのもと、球団初の試みで深刻化している中学生以下の野球競技者減少に歯止めをかける。

 この3連戦の来場者には、「野球」をテーマにしたタブロイドを配布。最終日となる17日には、小学生以下の全員を対象に“ライオンズのロゴ入りゴムボール”がプレゼントされる。ゴムボールは柔らかい素材で作られているため、安心して野球遊びができるように配慮がなされており、野球に触れるきっかけとしては絶好の機会となるだろう。また、試合前には「野球崩壊 深刻化する『野球離れ』を食い止めろ!」の作者・広尾晃氏によるトークショーが組まれており、“皆でできる野球人気復活への取り組み”などの提言が語られる予定だ。

 今回の企画に携わる、株式会社西武ライオンズの事業部コミュニティグループ担当・別府学氏は「小学生や幼児が野球遊びを経験することなく成長し、野球を知らない子どもが多くなってきているという事情を見てきている。競技者数を増やすためには野球界全体だけではなく、子育て世代の一般の方も一緒に“きっかけ”、“場所”、“支える人”の整備が急務だと感じています」と危機感を口にする。

「若年層の野球離れは深刻」、球界にとって大きな課題

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