ダルビッシュvsバースが実現したら…レジェンド達が対戦したい現役選手は?

中村紀洋氏は千賀との対戦を希望「真っ向勝負をしたくなる」

 また、元広島・野村謙二郎氏(*6)には意外な縁があった。

「ダルビッシュから打ったのが現役最後のホームラン(06年6月15日の札幌ドーム)。試合は大差がついていたんだけど、うれしかったなぁ。当時はまだ若手投手だったけど、『モノが違う』ということは当時からわかっていたから。それが現役最後のホームラン、忘れられないよね」

「今、メジャーでバリバリやっていて、『今の成長した彼ともう一回、対戦してみたいな』と思う時がある。まぁ、あの時みたいには打てないと思うけど…(笑)。あの時よりも格段に進歩しているし、今や世界一を争うチームのエースですからね」

 日本人投手にも期待度が高い選手は多い。「サムライジャパン」でも欠かせない戦力となった右腕・千賀洸大(ホークス)だ。

「投手らしい投手ですよね。ストレートと消えるような“魔球”のようなフォーク。わかっていても打てないタイプの投手。だからこそこういう投手と真っ向勝負をしたくなるんですよ」とは元近鉄・中村紀洋氏(*7)だ。

「熱くなるんですよね。松坂大輔(ホークス)とやっていた頃を思い出す。対戦しているうちにムキになって行く自分がわかる。なかなかこういう対戦ってないですからね。もちろんチームのために打つのが一番だけど、それとともに本当に楽しかった。千賀君とは僕の現役晩年に何度か対戦経験もあると思うけど、その時と今とは比べ物にならないですから」

 引退していくつになっても「野球バカ」。現役選手を見ながら、「この選手と対戦したら…」と想像することも多いそうだ。

「夢でもし会えたら…」

 いや現実ならもっと素敵なことだ。そう思わせてくれるからこそ、野球って最高なのだ。「もう一度やりたい」と本人たちが思い、「何度も見たい」とファンたちが思う。そんな対戦が心からいとおしい。

*1:中畑清(元巨人)
右投右打。NPB通算1248試合出場、4838打数1294安打、171本塁打、621打点。

*2:荒木大輔(元ヤクルト、横浜)
右投右打。NPB通算180試合登板、39勝49敗2セーブ、防御率4.80。

*3:水野雄仁(元巨人)
右投右打。NPB通算265試合登板、39勝29敗17セーブ、防御率3.10。

*4:大野豊(元広島)
左投左打。NPB通算707試合登板、148勝100敗138セーブ、防御率2.90。

*5:ランディ・バース(元阪神)
右投左打。NPB通算614試合出場、2208打数743安打、202本塁打、486打点。三冠王2回(85、86)

*6:野村謙二郎(元広島)
右投両打。NPB通算1927試合出場、7095打数2020安打、169本塁打、765打点、250盗塁。

*7:中村紀洋(元近鉄、オリックス、中日、楽天、横浜)
右投右打。NPB通算2267試合出場、7890打数2101安打、404本塁打、1348打点。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY