「本当なら2軍落ち」―日ハム上原、プロ初勝利で次々とあふれた感謝の言葉
母校の活躍から「プレッシャー」も…大型左腕のプロ初勝利の裏側にあったもの
日本ハムの上原健太投手が20日、本拠地での西武戦でうれしいプロ初勝利を挙げた。
アクシデントを気迫で乗り越えた。2点リードで迎えた5回。1死一塁で吉井理人投手コーチがトレーナーを伴ってマウンドへ駆けつけた。左手人さし指のマメがつぶれて裂け、出血が止まらなかったため、一度ベンチに退く。
「“めくれている部分を取ろうか”と言われましたが、急に感覚が変わることはやりたくなかったので、止血だけして、そのまま行かせてもらいました。子供の頃からの日常茶飯事で痛くはないので。ただ、チームに迷惑をかけたくなかったので、あれ以上崩れるようなら降板を志願しようと思っていました。でも、絶対にそうなりたくない。その思いだけでした」
マウンドに戻ると、浅村にストレートの四球を与えた。再びマウンドに来た吉井投手コーチから「ここを抑えないと勝てないぞ」とハッパをかけられ、最後の力を振り絞る。山川をフォークで空振り三振、メヒアで右飛に打ち取り、雄叫びを上げた。
「ここぞというところでしっかり投げ切れた。特にいいボールはなくて、逆に悪すぎるボールもなかった。全体的に配球が散らばっていたかなと思います」
苦しみながらも残した5回3安打無失点の結果に胸を張った。
先発5試合目でつかんだ初勝利。初めて先発を任された7月23日西武戦からここまでは4戦4敗だった。「本当なら2軍落ちのはずなのに、何回も何回もやらせてもらって、監督には心の底から感謝しています。負けている時も野手の方からいろんな声をかけてもらい、野手の方のおかげです」。感謝の言葉が次から次へとあふれた。