育成から球界トップ盗塁阻止捕手へ…ソフトバンクの屋台骨支える甲斐拓也
育成同期入団の千賀と好バッテリー、育成出身史上初の2年連続2桁勝利支える
5月2日の埼玉西武戦では、2点を先制されて迎えた2回裏、2死満塁で打席が回ると、高めの直球を引っ張った。打球はそのまま左翼席へ。プロ第1号が逆転満塁弾となった。さらに、7月19日の埼玉西武戦では、0-2とリードされた3回裏に第4号ソロで1点を返すと、続く4回裏の第2打席では2死一、二塁の状況で2打席連続となる第5号3ラン。4打点を挙げる活躍を見せ、乱打戦となったこの試合の勝利に大きく貢献した。
甲斐選手は170センチ、75キロ。チームの捕手の中ではもっとも小柄で、千賀投手とは16センチもの差があり、隣に並ぶと体格差が際立つ。同じ年齢で同じ育成出身選手であること、その2人が1軍で先発バッテリーを組むのは、育成制度が導入されて以降初めてのことだ。
それについて千賀投手は「特別な感情などはない」と語っていたが、育成出身選手としては史上初の2年連続2桁勝利を達成した8月12日のお立ち台では、「今年は拓也(甲斐選手)とずっと組んでますけども、本当に拓也も一生懸命考えてくれますし、良いバッテリー組めてるなと思います」とはにかんだ。
長らく正捕手を固定できていなかった福岡ソフトバンク。ドラフトで捕手の有望株を獲得してはいるが、なかなか1軍に定着できずにいた。しかし今季、生え抜きの甲斐選手が頭角を現しつつある。ファン、首脳陣の大きな期待を背負いながら、甲斐選手はどのように成長していくのだろうか。熾烈を極める優勝争いの最中、福岡ソフトバンクの屋台骨を支えるこの男から目が離せない。