なぜ今…フォーム変化は5月、菊池雄星の不正投球宣告に見る曖昧な判断基準

17日楽天戦では1球目ではなく、2回1死から不正投球宣告

 ところが、だ。ある時を境に、この右足を上げたところで動作が一旦止まり、もう一度右足を引き上げる動きをするようになっている。24日の試合後、土肥義弘投手コーチは「少なからず、5月からやってきたことはダメということになる」と言った。この言葉からも、今のフォームが5月から変化したものだと分かる。映像を見ると、その動きは、5月5日の楽天戦(メットライフ)から出ている。ここで佐藤塁審の「昔から思っていました。明らかに違う」という言葉が思い出される。

 菊池のフォームが変化したのは5月。果たして、そこから何か月が経っているのか。およそ3か月半である。この間、菊池は多少の変化はあるだろうが、同じようなフォームで投げてきた。右足の二段の動きも然り、である。審判団はその間、不正投球を宣告していない。注意や是正の勧告があったわけでもない。それは、そのフォームはルール内にあるものと容認していたということだろう。そこから3か月半が経って、突然、反則投球を言い渡されたのだから、菊池が17日の楽天戦後に「もう8月。なぜ今なのか」と言ったのも、頷ける。

 しかも、17日の楽天戦で2球連続で反則投球を宣告されたのは2回1死になってから、だ。もちろん、この時も、その場面で投球フォームが突如変わったわけではない。これまでと同じように、そして、この日も1球目から同じようなフォームで投げていた。そこにも、あまりに突然の感が拭えない。24日の試合後、審判団に説明を求めた鈴木葉留彦球団本部長は「(動きが)オーバーになった」との説明を受けたようだが、その基準はあまりに曖昧過ぎではないだろうか。
 
 物議がこれだけ広がったのは、2試合連続での宣告となった点にもあるが、ここでも疑問が沸く。それは、1度目に宣告された際に、審判団から「左腕のどの動きが不正投球に該当するか」の明確な説明がなかった点である。

佐藤塁審「右足に段がついている」土肥コーチ「初めて、そういう言葉が出てきた」

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