5年連続黒字経営を誇る独立L新潟、若き社長池田氏に聞く球団経営の在り方

新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ社長の池田拓史氏【写真:広尾晃】
新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ社長の池田拓史氏【写真:広尾晃】

地域密着のパッケージで「独立リーグからのステップアップ」を目指す

 新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ(BC)は、BCリーグ本部のある新潟県を拠点とする独立リーグの球団だ。リーグ創設時から参加し、今年で11年目のシーズンを迎える。8月28日現在、2017年後期は13勝12敗5分で2位タイにつける新潟は、若き社長がチームを率いることでも知られる。2016年に社長に就任した池田拓史氏(36歳)に、話を聞いた。

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 私は地元新潟県南魚沼市の出身です。大学は札幌市(北海道大学)に4年いましたが、卒業後はリクルートに就職して、東京に勤務していました。

 2006年、新潟を中心にBCリーグが立ち上がると聞いて、ぜひ参加したいと思い、7月下旬に会社を辞めて、村山哲二代表のもとに駆け付けました。スポーツチームの運営は、もちろん未経験でした。でも、地元新潟をサッカーで盛り上げているアルビレックスが、野球を手がけることがあれば、ぜひ参加したいと思っていました。正直なところ、30歳くらいまで東京でビジネスの経験を積みたいと思っていたので、少し展開が早かったですが(笑)。

 以来2年弱、BCリーグ全体の立ち上げや運営に関わる仕事をしてきましたが、新潟アルビレックスBCも人材不足だったので、2年目のシーズンが始まる2008年3月、球団に移籍しました。新潟アルビレックスBC現会長の藤橋公一も、リーグの立ち上げから一緒に働いていたので、働きやすい環境でした。

 以来、今年で10年になります。大変なことはいろいろありましたが、やはり財源の確保に尽きますね。当初から「未熟で若い独立リーグの選手のチャレンジが、プロ野球の興行として成り立つのか」と、いろいろな方から厳しいご意見をいただきました。実際に、私が新潟アルビレックスBCに移籍した時点でも、既にかなりの累損が生じている状況となっており、すぐに資金繰りなど厳しい現実に直面しました。

「お客様はファンというよりサポートをしてくださる存在」

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