稀代の強打者プホルスに異変!? MLB史上初ベスト&ワースト選手の可能性

ワーストWARでも毎日プレー「選手の“能力”と“価値”は違う」

 こういう現象が起きることについて、記事では「選手の“能力”と“価値”は違う」という面白い考察を紹介している。プホルスの場合を例に取れば、通算600本塁打を誇る強打者は“能力”という点では決してワースト選手ではないが、多くの出場機会を得ながら最少の“価値”しかあげられていない、となる。さらに、最少の価値しか提供できない選手が毎日スタメンに名を連ねるのは、首脳陣からの厚い信頼があるからこそ。つまり、これまでの貢献度が今季のスランプをカバーするに余りあるものだからだ、という。

 今季はそういった傾向の打者が多いようで、今季打者ではプホルスに次ぐWARワースト2位のカルロス・ゴンザレス(ロッキーズ)は2010年にはベスト15位を記録。今季ワースト10位タイのエイドリアン・ゴンザレス(ドジャース)は2009年にベスト9位、ホセ・バティスタ(ブルージェイズ)は2011年にはベスト3位だったのが今季はワースト7位となっている。

 30日(日本時間31日)の本拠地アスレチックス戦では2打席連続となる今季20号、21号を放ったプホルス。これでメジャー通算2939安打となり、3000本まで61安打となった。WARではワーストの数値を記録しているかもしれないが、一発の恐れがあるプホルスが打線にいるだけで、その前後の打者に対する相手投手の攻め方は大きく変わってくるだろう。プホルスほど能力と実績のある選手には、セイバーメトリックスだけでは計れない無形の価値が備わっている。

(Full-Count編集部)

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