足でもぎ取った3得点 侍ジャパンを逆転勝利に導いた「頭としっぽ」

逆転勝利につながるチャンスを足でもぎ取った丸山和郁(左)と西巻賢二(右)【写真:沢井史】
逆転勝利につながるチャンスを足でもぎ取った丸山和郁(左)と西巻賢二(右)【写真:沢井史】

俊足&驚異の小技に長けた打者が揃う日本の下位打線

「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)は4日(日本時間5日)、大会4日目を迎え、侍ジャパンU-18代表はオランダに3-1と逆転勝ちし、オープニングラウンド3勝1敗とした。同時にアメリカが南アフリカに勝ち、日本がメキシコとキューバにも勝っているため、日本は1試合を残してスーパーラウンド進出が決まった。

 4回まで相手投手に完璧に抑えられ、なかなか攻撃の糸口を見いだせなかった日本だったが、この日の3得点は足でもぎ取った。6回、先頭打者だった丸山和郁(前橋育英)は、二塁とセンターの間に落ちる安打で出塁し、すかさず盗塁。次打者の西巻賢二(仙台育英)もバントヒットで続き、1番の藤原に繋げた。

「監督さんが頭としっぽでチャンスメークして中軸で還すようにって言うんです。中軸が打てなくても頭としっぽがしっかり働いて点を取る。昨日か今日のミーティングで言われました。そこをまずしっかり意識しようと思いました」

 そう話す丸山の走塁が相手バッテリーに微妙なプレッシャーをかけた。1死一、三塁から相手投手の一塁への牽制悪送球で同点とすると、暴投で逆転した。

「8、9番で出塁して上位に繋げるのがいい形だと丸山と話しているんです」と西巻も同じ言葉を口にする。さらに丸山は8回にセンター前のポテンヒットで二塁まで進塁。西巻の死球で一、二塁とし、藤原の適時打で3点目を挙げた。

 8番から2番まで、自チームでは1番打者を務める選手が名を連ねている今回の代表チーム。下位打線というより、俊足揃いの驚異の小技に長けた打者が揃っている。オープニングラウンド最終戦・南アフリカ戦はもちろん、スーパーラウンドでも相手にプレッシャーをかけ続ける。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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