漫画の影響で女子野球選手に 全員18歳以下でアジア王者に輝いた日本の主将

毎試合のスタンドあいさつで笑い誘う、「次はフル代表に選ばれて一緒にまたみんなと」

 地元・九州の女子硬式野球部がある高校を目指していたが、履正社高への進学を決意。母・小織さんは「橘田監督が日本代表を目指さないかと言ってくださり、本人の目標が変わりました。JAPANという世界があることを教えてくださったことで目の色も変わり、いつかユニホームを着たいと。ここに来るまでにいろんな方のサポートがあり、応援もしていただきました」と感謝する。

 目指してきた日の丸を背負い、戦い切った。それも、キャプテンとして。全ての試合前と後のスタンドあいさつでは、日本から応援に来ている家族らに向かって、一言を添えた。履正社高のスタイルだ。

 初戦の韓国戦前は「Welcome to Hong Kong!」から始まり、ドッと沸いた。チャイニーズ・タイペイ戦は「昨日よりも応援に来ている方が増えているので、その分を力に変えて、一生懸命、最後まで頑張りたいと思います。応援、よろしくお願いします」と話して挑み、0-1からの逆転勝ちに「心臓を止まらせてしまうような試合をしてしまい、申し訳ございませんでした」と“謝罪”。「応援よろしくお願いします」だけではなく、思わず笑みがこぼれる言葉がチームを和ませた。

 戦いを終え、吉井主将は「日本の日の丸を背負って、プレーしているんだなと思うと、試合中のピンチではいつもより重圧感がありました」と振り返った。ただ、その特別なプレッシャーが成長もさせてくれた。そして、また新たな目標もできた。

「日本に帰っても野球を続ける人が多いと思います。この大会は高校生で挑みましたが、次はフル代表に選ばれて、一緒にまたみんなとプレーしたいです。これで満足せず、お互いに頑張って、上の方でも一緒にできるように頑張っていきたいと思います」

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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