「先輩」のような強烈キャラでなくても…松本が誠実さで日ハムの希望になる

「森本さんや杉谷さんのような強烈キャラを目指すのは難しいでしょうが…」

 松本の打棒は交流戦に入ってからさらに磨きがかかり、規定打席到達者の中では、広島の丸に次いで2位、パ・リーグの選手としてはトップとなる打率.396という好成績を残して日本生命賞を受賞した。打線では2番を務めるなど首脳陣の信頼も厚くなっていき、9月7日終了時点で91試合304打数89安打4本塁打25打点、打率.293と好調を維持している。

 帝京高校から北海道日本ハム、といえば、森本稀哲氏や杉谷のように、明るくチームを盛り上げる選手たちの存在が思い出される。松本も入団会見では「(高校の先輩である)森本さんや杉谷さんのような強烈なキャラクターを目指すのは難しいでしょうが、少しでも近づけるよう自分なりのものを確立したいと思っています」と語っていた。

 しかし、持ち前の溌溂としたキャラクターで人気を博した先輩とは違い、プロ初打点を記録した試合でも一塁上でガッツポーズを見せず「ベンチが盛り上がっていたから、照れとうれしさがあって。控えめな性格なので」と振り返るほど、松本の性格は謙虚だ。常に挨拶を欠かさず、真面目に練習に取り組む姿勢が周囲から高評価を受ける。強烈なキャラクターはなくとも、その誠実な人柄こそが松本の魅力の1つだろう。

 現在は同じチームで戦っている松本と栗山監督だが、テレビ番組の取材を通して帝京高校1年時の頃から親交があったことでも知られる。松本がサヨナラ打を放った7月20日の試合後、栗山監督は「(松本は)自分の形が1軍で出せるようになってきた」と目を細めた。ついに1軍の舞台で才能を開花させ、優れた人柄とプレーでチームを引っ張る存在に成長しつつある松本。シーズンも残り僅かだが、これから若きリーダー候補生が見せるプレーの数々にも要注目だ。

【動画】楽天戦でのサヨナラ勝利に貢献した松本

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