「ビビッて投げていた」社会人野球で快挙の右腕 ノーノー導いた指揮官の言葉

“ノーノー”のインパクト、「すごいことをしたんだなと思いました」

 今は日本選手権、そして共に選出された侍ジャパン社会人代表の戦いに思いを馳せる。社会人代表は都市対抗野球大会での活躍が認められての選出。8月に参加した2次選考合宿を振り返り、阿部は「初めて会う人が多かったけど、みんなが僕の名前覚えていました。すごいことをしたんだなと思いました」と笑う。

 偉業を成し遂げたとはいえ、慢心はない。現在もチームでは高山亮太投手がエース。浦和学院高では1年時に甲子園に出場したがベンチ入りはならずスタンドで応援したという阿部は、進学した東洋大でも1学年下の原樹理(現ヤクルト)がエースだった。 

「原とはよく食事にも行きます。原が、使っていないグローブを『これあげます』と言ってくれました。原の活躍はいい刺激になっています。僕も頑張らなくちゃと思います」

 そんな阿部は今後、“脇役”から“主役”として羽ばたいていくことができるのか。好リードを見せた木南とともに夢は「プロでの活躍」だ。

 日の丸を背負って出場する10月の「第28回 BFA アジア選手権」(台湾)を経て、さらなる成長が期待される両選手。この夏、東京ドームを沸かせたバッテリーが今後どのような飛躍を遂げていくのか、その未来が楽しみだ。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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