元ソフトB斉藤和巳氏が「2段モーション」問題に提言 「人生が懸かっている」

「コミッショナーやNPBが先頭に立って、分かりやすくしっかり説明するべき」

「雄星の場合、春先は足がそこまで止まっていなかった。そこから少しずつ変わったという話ですよね。その過程で、いろいろ忠告を受けていたにせよ、ちょっとかわいそうやなって思いますね。8月中旬のタイミングであったり、チームが激しい順位争いをしていたり。彼の野球人生のことを考えても、判定するまでには、もっと違う方法があったんじゃないかって思います。 

 もっと根本を言うと、2段モーションって何やねん、と。どこを目指してやっているのか、はっきり見えない。国際ルールに合わせましょう、という話ですけど、メジャーには、とんでもない投げ方をする人がいっぱいいる。それでも審判にだめだって判定される人は、ほとんどいませんよね。

 投球動作中に静止したらだめってことですけど、雄星とか厳密に言ったら静止はしてないですから。僕は静止してました(笑)。でも、雄星は足を2回上げるリズムがあるだけで、止まってはいない。それを言ったら、静止して見える投手は、他にもいっぱいいますよ」

 当初、審判団と西武の言い分が食い違っていたが、8月27日にNPBと西武で話し合いが持たれ、両者の見解がすりあわされたという。今回の問題は、元々「2段モーション」に関する基準が曖昧なため、立場によっていろいろな解釈が出来るが故に起きてしまった問題とも言える。今後、野球のルールがさらに分かりやすくなり、投手が安心してフォームを体得できる環境を整備するためにも、コミッショナーやNPBを中心に基準を明確化することがカギとなりそうだ。

「審判は決められたルールに沿って判定を下すだけ。こういった場合は、ルールを統括するコミッショナーやNPBが先頭に立って、当事者同士だけではなく、他の選手や関係者、ファンにも分かりやすくしっかり説明するべきでしたね。一選手の野球人生がかかっているわけですから。はっきりと明確な基準を示すことが大切だと思います」

 野球をより魅力的なスポーツにするためにも、誰にも分かりやすいルールの整備は、絶えず続けていかなければならないのだろう。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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