1試合平均約3万5000人 なぜヤフオクドームにこれだけの人が集まるのか

“女性客が多い”ことが福岡ソフトバンクホークスの大きな強み

――別の要素という点で言うと、今回のイベントでホークスカラーのTシャツや、タオル、熱いぜマツダくん!とのコラボグッズなど、コロコロコミック関連のグッズが多く、そのほかのグッズを見ても、種類が豊富なイメージがあります。これも意識されていることなのでしょうか。

「イベントをやるときに何か配布するとか、何かを体験してもらうというようなものだけで終わりたくないなと思っていて、飲食やグッズなども含めた色々な方向から満足していただけるようにしたいと常々思っています。考え方として、社内の色々な部署から出たアイデアを無駄にはせず、できる範囲のことはチャレンジしてみようという考えが大きいですね。必ずしも全て成功するわけではないですが、トライする姿勢が重要なことだと思っていますので」

――集客力という点に話を移します。これだけのお客様を集める要因として、鷹の祭典をはじめとするイベントの充実が考えられますが、福岡ソフトバンクホークスのイベントの強みはどこにあるとお考えですか。

「鷹の祭典はホークスという球団のブランドを左右する非常に大きな要素であるという認識は携わる人間の皆が持っています。僕らはイベントチームなのでイベントという観点で見ていますが、グッズチームも飲食も運営的なところも、全ての部署が一つになって取り組んでいて、毎年何かしらの新しい要素を追加して強化しています。そこは強みの一つだと思いますし、お客様には変化も含めて楽しんでいただけていると思います」

――充実したイベントという点では5月に行われたタカガールデーもそうですが、シーズン通して飽きさせないための様々なイベントが組まれていますよね。

「春には『どんたく博多デー』というイベントをやっています。博多をテーマにしてどんたくと連携して博多ならではのイベントをやっているのですが、これはもっともっと育てていきたいなと思っているイベントです。その他にも5月の女性向けのタカガールデーや、夏休みの家族、子ども向けのイベントなど、最適な日程で実施することを心掛けています。今も様々なイベントを開催していますが、来年やろうかと考えているイベントとしてアイデアレベルでは本当にたくさんの収まりきらないくらいの案があります。このアイデアを精査していき、来年のイベントとしてお客様に楽しんでいただけるようになればと思います」

――最後に、今回のパ・リーグ親子ヒーロープロジェクトで初めて球場に足を運び、興味を持たれた方へのメッセージをお願いいたします。

「今回が野球を観戦するきっかけになり、生で見る野球の面白さは感じていただけたと思います。今後は観戦するのはもちろん、お父さんとキャッチボールをしたり、少年野球チームに入ったりするなど、ぜひ野球の楽しさをもっともっと味わってほしいなと思います。他にもたくさんのイベントを実施していきますので、また足を運んでいただければうれしいです」

 若山氏によると、福岡ソフトバンクホークスの全ファンクラブ会員における女性の割合は40%を超えるという。つまり約半数が女性ファンで、ヤフオクドームの来場者も常に半数は占めているというから驚きだ。もちろん、最初から女性ファンが多かったというわけではなく、ファンを増やすためにコツコツと行ってきたイベントなどが実を結んだ結果と言えるだろう。

 プロ野球の各球団やスポーツ界にとどまらず、どの業界においても女性客を獲得することこそが成功への近道であり、女性客は何としてでも呼び込みたい存在である。そういったことからも、“女性客が多い”ということが福岡ソフトバンクホークスの大きな強みであり、これだけの人がヤフオクドームに集まる理由の一つなのだろう。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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