丸、安部、松山、小窪…10年後に実を結んだ広島カープ2007年のドラフト
当時の目玉選手の評価は変化
10年後の今年のペナントレースの終盤戦、高校ドラ1の安部友裕は、正三塁手として打率.313、規定打席以上の打率3位につけている。ドラ3の丸佳浩はすでにNPBを代表する外野手だが、今年も打率.309で同5位だ。
そして大学・社会人ドラ4の松山竜平は鈴木誠也の負傷欠場を受けて4番に座り、規定打席不足ながら.325を打っている。大学ドラ3の小窪哲也はカープの選手会長、代打の切り札となっている。大学・社会人ドラ1の篠田純平は先発、中継ぎ投手として2010年には6勝を挙げるも2015年で引退した。
10年が経過して、当時の目玉選手の評価は大きく変わった。中田翔のように順調にスターに成長した選手がいる一方で、10年前の大学の目玉選手3人はすでに引退している。
この結果を見ると、フロントの実力、スカウトの目は、時間が経たないと定まらないことを痛感する。10年前の広島のドラフトは大豊作だった。マジック2、9月14日にも優勝が決まる可能性のある広島の快進撃は、この年獲得した4人の活躍がなければあり得なかった。広島球団が蒔いた種は、10年の歳月を経て収穫期を迎えているのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)