広島26年ぶり地元優勝は17日以降、緒方監督「勝ちきれなかったのは悔しい」
4回に右翼席へソロ弾運んだ新井「ファンには申し訳ない」
広島は16日、マツダスタジアムで行われたヤクルト戦に4-5で敗れ、優勝決定は17日以降に持ち越しとなった。雨が心配された状況で、予報に反して試合開始以降は雨が止む奇跡的とも言える天候だったが、逆転負けで91年以来となる地元での優勝はならなかった。17日は台風接近が予想され、試合開催は厳しい状況だが、緒方監督は「また次に向けてしっかりやるだけです」と前を向いた。
午前中の降雨の影響で試合開始が30分遅れたが、その後、雨の影響はほとんどなく、試合が進んだ。3回に丸のタイムリーで2点を先制し、1点差と返された直後の4回にも新井の本塁打と會澤のタイムリーで2点を追加。26年ぶりの地元胴上げに向けて、スタンドも盛り上がる一方だった。
しかし、先発の薮田がリードを守れず、7回に同点とされると、8回にはリリーフの今村が代打の奥村に勝ち越しの犠飛を打たれ、これが決勝点となった。緒方監督は「選手も、もちろん今日決めるつもりだったし、初回からファンの応援をすごく感じていた。勝ちきれなかったのは悔しい」と、逆転負けを悔やんだ。先発の薮田については「こういった雰囲気の中、立ち上がりは今ひとつだったが、途中からは修正できると思ったけどね。打ち取った球が野手の間に落ちてしまったこともあったからね」と、15勝目を逃した右腕を責めることはなかった。
本塁打を打った新井は「みんないつも通りの感じだったと思うけど」と緊張はなかったとしたが、「期待してくれたファンには申し訳ない」と残念そうだった。地元での優勝決定は17日の天気次第となったが、新井も「次の試合のために、またしっかり準備してやるだけです」と、指揮官と同じ言葉で気持ちを切り替えていた。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)