9年で6度の胴上げ目撃「絶対にやり返します」西武牧田が代弁した選手の思い
当面の目標は2位死守でCS本拠地開催権の獲得
淡々とした言葉だが、リベンジへの闘志がみなぎった。埼玉西武が17日、福岡ソフトバンクにサヨナラ勝ち。16日、眼前で福岡ソフトバンクのリーグ優勝を目の当たりにした牧田投手は、お立ち台で「絶対にやり返します」と力強く誓った。
8回、先頭の山川選手が岩嵜投手の直球をバックスクリーンに運んだ。「沖縄からおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんが来ているので、目の前でホームラン打てて最高の気分です」。成長著しい埼玉西武の新4番が、家族の声援を力に変え、試合を振り出しに戻した。そして延長10回から登板した牧田投手が、4番・柳田選手、5番・福田選手を連続三振。松田選手に安打を許したが、無失点で切り抜けて流れを作り、直後のサヨナラ劇を生んだ。1死満塁、ベテランの栗山選手の押し出し四球でサヨナラ。辻監督も「ウチは1つも負けられない。勝てて良かった」と、試合後、勝利を喜んだ。
屈辱を、ポストシーズンで晴らす。牧田投手は、選手を代表して言った。「もう何回も(目の前で胴上げを)見ているので、CSでは逆に見せてやろうと思います」。チームは2008年にリーグ制覇を果たして以降、優勝はなく、しかもその後9年間で6回も敵チームの胴上げを見ている。前夜に歓喜のビールかけをした福岡ソフトバンクだが、この日もスタメンはベストメンバー。だからこそ、勝つことに意味があった。
先発の多和田投手が、相手先発の千賀投手と投手戦を展開し、外崎選手は2回に14球粘った末に犠飛を放って先制点をたたき出した。終盤に福岡ソフトバンクに逆転を許しても、すぐさま山川選手の一発で追い付く。そして延長でのサヨナラだ。「最高の勝ち方ができました」。山川選手も、納得の表情を見せた。
リーグ優勝は逃したが、「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」への進出が決まり、直近のテーマは2位を死守しての本拠地開催だ。この日の勝利で、3位楽天との差が3に広がった。だが楽天のほうが7試合多く残しているだけに、残り12試合も気の抜けない試合が続く。「一戦一戦、必死で戦うだけです」と山川選手。悔しさを力に変えて。埼玉西武ナインの2017年の戦いは、まだまだこれからだ。