早実監督がプロ表明の清宮を後押し「55歳のおじさんとして夢を抱いている」

プロ志望を表明した早実・清宮幸太郎【写真:篠崎有理枝】
プロ志望を表明した早実・清宮幸太郎【写真:篠崎有理枝】

数多くの部員と出会った中でも「思い入れの深い生徒」

 早実の清宮幸太郎内野手が22日、都内で会見を開き、プロ入りを表明した。プロ入りか、大学進学か、あるいはメジャーか。その決断に注目が集まったが、結論は日本プロ野球入りだった。会見に同席した早実の和泉実監督は「もともと本人の決断を尊重するつもりだった。後押しして、彼を送り出してあげたい」と、18歳が下した大きな決断をサポートした。

 1992年の監督就任以来、数え切れないほど多くの部員を指導したが、清宮は「出会った生徒の中でも思い入れの深い生徒」だという。早くからその才能に注目が集まり、メディアで取り上げられることも多かったが、まだ高校生。そんな超高校級スラッガーが大きな成長を見せたのは、昨年秋にキャプテンに就任してからだった。

「キャプテンになってから、リーダーシップを取るようになった。彼のキャプテンシーは目を見張るものがある。いろいろな生徒を預かったが、ここまで自分のことよりチームのためできる子がいるんだな、と感じた。高校生の可能性を感じさせてくれた生徒だった」

 チームの勝利のために何ができるか。キャプテンとして1年考え抜いた頭で、今度は自分の進路を考えた。選んだ道は日本プロ野球。「彼の性格上、自分で決めたことなんじゃないかなと思う」と話した恩師は、「後押しして、彼を送り出してあげたい」と全面サポートを約束した。

 1人の野球人としての楽しみもある。「どんな選手に成長してほしいか」と質問されると、こう答えた。

「(高校でホームランを)30本40本打てばすごいな、と思っていたが、それを3倍以上クリアした。ドデカイ選手になってくれるんじゃないかな。55歳のおじさんとして夢を抱いている。応援していきたいです」

 恩師の夢を実現できるか。清宮の野球人生が、新たな方向に少しずつ動き始めた。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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