歴史的データも清宮の決断を後押し!? 早実出身選手は高卒の方が大成傾向

投手では石井丈裕が68勝、「大ちゃんフィーバー」荒木大輔が続く

 早稲田実業出身選手は圧倒的に打者が多い。これまでの42人のうち、投手としての1軍登板記録があるのは7人に過ぎない。伝統的に「打」の学校と言えるが、その早稲田実業から甲子園を熱狂させるスター投手が登場した。荒木大輔だ。

 1982年には「大ちゃんフィーバー」が巻き起こる。荒木は高校卒業後、ヤクルトに入団。当初は人気先行に苦しんだが、1987年には10勝を挙げる実力も見せた。

 高校時代荒木の控え投手だった石井丈裕は、法政大、プリンスホテルを経て西武に入団し、エースとして活躍。1992年には沢村賞を獲得している。

「大ちゃんフィーバー」から24年後、早稲田実業からまたスター投手が登場する。「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹だ。斎藤は夏の甲子園で駒大苫小牧高の田中将大と決勝で投げ合い、引き分け再試合。この試合も斎藤が一人で投げ切り、優勝投手になった。早稲田大に進みエースとして活躍。その後日本ハムに入団し、現在に至っている。

 早稲田実業出身の現役選手は、斎藤佑樹、そして巨人で代走のスペシャリストとして活躍する重信慎之介の2人だ。重信も早稲田大学出身。

○早稲田実業出身選手 安打数10傑
1.王貞治 2786安打 868本塁打
2.榎本喜八 2314安打 246本塁打
3.大矢明彦 1144安打 93本塁打(駒沢大)
4.醍醐猛夫 1132安打 81本塁打
5.徳武定之 903安打 91本塁打(早稲田大)
6.石渡茂 800安打 53本塁打(中央大)
7.川又米利 771安打 74本塁打
8.荒川博 503安打 16本塁打(早稲田大)
9.田野倉利男 317安打 50本塁打
10.荒川尭 195安打 34本塁打(早稲田大)

○投手勝利数5傑
1.石井丈裕 68勝 防御率3.31(法政大-プリンスホテル)
2.荒木大輔 39勝 防御率4.80
3.宮下信明 34勝 防御率3.85
4.斎藤佑樹 15勝 防御率4.29(早稲田大)
5.望月潤一 11勝 防御率3.02

 こうしてみると、高卒でプロ入りした選手が上位にいることがわかる。早稲田実業の歴史を考えれば、清宮幸太郎の決断も間違っていないと言えるかもしれない。

 岡田源三郎、王貞治、榎本喜八と3人もの殿堂入り選手を輩出した早稲田実業の輝かしい歴史に、清宮幸太郎はその名を記すことができるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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