パ初の快挙達成なるか…西武・源田が挑む“新人王&盗塁王”のダブル受賞
新人で盗塁王となったのは、2リーグ制以降では阪神・赤星のみ
今季のパ・リーグでは、2014年の盗塁王・西川選手(北海道日本ハム)と、埼玉西武のルーキー・源田選手が熾烈な盗塁王争いを繰り広げている。「盗塁王」と聞けば、前人未到の1000盗塁を記録した福本豊氏(元阪急)や、2007年から4年連続でその栄誉に輝いた片岡治大選手(現巨人・引退表明)といった選手が思い浮かぶだろう。彼らはいずれも、プロの世界で自らの技術に研鑽を重ね、そのタイトルをつかんだ選手達である。しかし、源田選手は新人ながら、そのタイトルに手を掛けている。では、プロ野球の歴史の中で、プロ1年目にして盗塁王を獲得した選手は、どれほどいたのだろうか。
驚くべきことに、新人年にいきなり盗塁王となったのは、2リーグ制以降では赤星憲広選手(元阪神)、ただ1人である。赤星選手は1年目の2001年、開幕1軍をつかみ取るとシーズンを通してレギュラーに定着し、39盗塁を記録。現在に至るまでNPB史上唯一となる「新人王と盗塁王の同時獲得」を成し遂げた。1リーグ制の時代には、南海で活躍した河西俊雄選手が新人年(1946年)に39盗塁でタイトルを獲得しているが、これを含めても、長いプロ野球の歴史の中で「新人の盗塁王」は2人のみ。非常に珍しい記録となっている。
しかし、新人の盗塁記録と聞いて、小坂誠選手(元千葉ロッテ他)の名前を想像する人も多いのではないだろうか。それもそのはず、赤星選手が39盗塁で盗塁王に輝いたのに対し、ルーキーイヤーの小坂選手は56盗塁を記録し、新人歴代トップの盗塁数を誇っているからである。しかし、この年は松井稼頭央選手(当時西武)が小坂選手を上回る62盗塁を記録してタイトルを獲得。惜しくもパ・リーグ初となる栄誉を逃すことになった。