球速は「勝手に伸びる」 最速157キロのドラ1候補が語る「真っすぐ」への思い
「最終的に160キロ投げたい」も「勝手にスピードは伸びる」
4日は中国戦がなくなり、練習になった。鈴木博は前日の体験から、「ボールに対して、フィットするのはどれか、いろんな握りを試した」と、探りながらキャッチボールを行った。今月26日に行われるドラフトの1位候補。「僕が一番、評価されているのは真っすぐだと思う。その真っすぐでこの大会、どれだけ通用するのか試したいし、通用させたいという思いもあります」。所属するヤマハ野球部のホームページで自己紹介のファンへのメッセージに「火の玉ストレートを見に来てください!」と書くほど、直球にこだわりを持つ。
静岡・磐田東高時代の最速は143キロ。高校3年春に痛めた右肘を10月に手術し、ヤマハ入りした1年目はリハビリに時間を費やした。その間のトレーニングが奏功し、「1年後に投げたら154キロまで出ました。あの1年が大きく成長させてくれた」。体重は80キロから現在97キロ。球速は今年1年でも伸び、最速は157キロを誇る。今大会直前の千葉ロッテ2軍とのオープン戦前のブルペンでも計測した。
「最終的には160キロを投げたいという気持ちがありますが、試合でスピードを意識して投げているわけではありません。スピードは出るものだと思っている。自分の中では、このままやっていけば、勝手にスピードは伸びると思っています。今は試合に勝つ投球ができるようにということを意識しています」
スーパーラウンドは台湾と韓国と戦うことになる。「台湾も韓国もすごい選手ばかり。特に韓国はプロの選手なので、自分のまっすぐで押せたらいいなと思います」と楽しみな様子だ。3日の台湾-韓国の直接対決はテレビ観戦し、「インコースを打ち損じていた」と分析。「インコースをうまく使って、外のボールも使いたい。試合の中で状況を見ながら変化球も使って、より真っすぐを生かしていきたい」。2大会ぶりのアジア王者へ――。日本の守護神として、全力で右腕を振るう。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)