前田健太が9球白星、敵主軸斬りスライダーに女房役脱帽「明らかに打てない球」
先発から配置転換も抜群の働き、1点リードを守り、流れを引き寄せる
ドジャース前田健太投手は7日(日本時間8日)、本拠地で行われたダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第2戦で5回1死から3番手として登板。相手の強打者トリオを相手に、1イニングをわずか9球で無安打無失点に仕留め、勝利投手となった。女房役を務めたバーンズ捕手は、先発から中継ぎに転向して大仕事をやってのけた日本人右腕を「偉大なメンタリティ」と賞賛している。
圧巻の9球だった。3-2の5回1死走者なしで2番手シングラーニからマウンドを引き継いだ。迎えたポロックを宝刀スライダーで3球三振に打ち取ると、初回に先制2ランを放っていた主砲ゴールドシュミットを2球目スライダーで遊ゴロに仕留めた。
その裏に味方打線が爆発し、大量4打点を奪うと、6回表にも回またぎで続投。タイガースからトレード期限で移籍後、29本塁打、65打点と大暴れする強打者マルティネスを空振り三振で斬った。
わずか9球で仕事を果たし、マウンドを下りた前田はドジャースタジアムを埋める5万人を超える大観衆からスタンディングオベーションを受けた。チームを勝利に導いた働きぶりを、女房役も絶賛する。
「前田は本当に良かった。ご覧の通り、スライダーと速球が素晴らしかった。偉大なメンタリティで、素晴らしいピッチングを見せてくれたよ。特に、スライダーは彼の持ち味。あのスライダーは、明らかに打てない球だった」
試合後のクラブハウスで、バーンズはこう賞賛した。
主に先発としてキャリアを積み上げたが、ポストシーズンにブルペンに回った。配置転換されてもすぐに気持ちを切り替え、チームの勝利のためにプロ意識を貫いた前田のメンタリティが、バーンズに強く感じ取れたようだ。
「先発からリリーバーの転向は簡単ではない。でも、チームが必要としている時に、彼は助けになってくれる。それがケンタという男なんだ。大仕事をやってくれた。チームを救ってくれたんだ」
中継ぎで相手の強打者を撫で斬りにした前田は、同僚からも大きな感謝を受けている。
バーンズも、リード面のみならず、この日3打数2安打2得点とバットでもチームに貢献した。
「僕もチームを助けたい一心だった。あと1試合。タフな試合になると思うけれど、またチームの助けになりたいね」
9日(同10日)に敵地で行われる第3戦に勝利し、リーグ優勝決定シリーズ出場権を獲得するために闘志を燃やしていた。
(Full-Count編集部)