ソフトBの3年目捕手がCSメンバー抜擢も!? 工藤監督「入る可能性はある」
紅白戦では首脳陣の前で一発、「打つ方で入れることも考えられますからね」
来季以降が楽しみになる一発だった。ソフトバンクの栗原陵矢捕手が、アッと驚く本塁打を放った。18日から始まるクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージに向けて行われた11日の紅白戦。まだ1軍わずか3試合出場、3打席しか立っていない3年目の若手が、工藤公康監督をはじめとする首脳陣の前で、アピールの一発を放った。
5イニング制で行われたこの日の紅白戦。“10番打者”として出場した栗原は3回1死で打席に入ると、今季1軍で14試合に投げ、CSのメンバー入りを狙う岡本の真っ直ぐを捉えた。打球は右翼の頭上を越えて、ホームランテラス席へ。「打った瞬間は全然だったんですけど…。嬉しかったですね」。紅白戦とはいえ、1軍の面々の中で放った本塁打には、自然と笑顔が浮かんだ。
2015年のドラフト2位で、福井県立春江工高からソフトバンクに入団した栗原。高校日本代表では主将を務め、未来の正捕手候補として期待されている3年目だ。今季はウエスタンリーグで70試合に出場し、打率.271、3本塁打をマーク。高谷裕亮の負傷離脱に伴い、1軍デビューも果たし、3試合に出場。プロ初安打はお預けとなったが、着実にステップを踏んでいる。
今季、育成出身で7年目となった甲斐拓也が台頭し、正捕手の座に近づいた。1軍には高谷、鶴岡慎也というベテラン2人がいるが、甲斐に続く、そしてベテラン2人を脅かす捕手として期待され、来季以降、1軍の捕手の枠を争ってもおかしくない存在である。
あくまで高谷、鶴岡、甲斐に続く捕手4番手の存在ではある。現実的に言えば、CSメンバー入りは厳しいのだが、工藤公康監督は「バッティングが良ければ、打つ方で入れることも考えられますからね。ファームで一塁を守ったこともあるし、色んなことを考えています。アピールし続けてくれたら、(CSのメンバーに)入る可能性はある」と言い、栗原自身も「今日だけじゃダメなので、明日、明後日とアピールしていきたい」と意気込む。
甲斐に続く若手捕手の候補である栗原。CSメンバーに飛び込んでくるか。そうならなくても、将来が楽しみな1人であることは間違いない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)