“外れ外れ1位左腕”が躍進、高卒右腕は連敗ストッパーに…各球団ドラ1の成績は?
一時“連敗ストッパー”となった藤平、山岡は初完封含む8勝
◯楽天・藤平尚真(横浜高)
8試合 3勝4敗 防御率2.28
高校ビッグ4として評価の高かった右腕を、楽天が単独で指名した。球団はじっくりと育成していく方針のため、開幕1軍こそ逃したものの、ファームでの好投が光って6月16日の阪神戦(甲子園)でプロ初先発初登板。負け投手となったものの、5回5安打2失点の好投だった。8月22日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初勝利を挙げ、チームの連敗を6で止めると、9月5日の日本ハム戦(富山)では7回1安打無失点の好投で2勝目を挙げて、今度はチームの連敗を10で止め、新人ながらチームの連敗ストッパーとなった。躍動感溢れる投球と、堂々としたマウンドさばきは新人離れしており、来季以降は則本、岸、美馬らに続くローテの柱になれる存在だ。
◯オリックス・山岡泰輔(東京ガス)
24試合 8勝11敗 防御率3.74
瀬戸内高では、高校3年時の夏の広島県大会決勝で、田口麗斗(現巨人)擁する広島新庄高と延長15回引き分け再試合の熱戦を繰り広げた右腕。社会人の東京ガスへと進み、オリックスから単独指名を受けた。キャンプから1軍に帯同し、オープン戦でも好投。プロ初先発となった4月13日のロッテ戦(京セラD)で6回5安打3失点と好投したが、負け投手に。その後も好投を続けながら、6試合連続で白星に恵まれなかったが、7度目の先発となった5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)で6回5安打1失点と好投してプロ初勝利を掴んだ。8月26日の西武戦(メットライフD)ではプロ初完封もマーク。ほぼ1年間ローテを守り抜いており、来季以降も、チームのローテの中核を担う存在となるだろう。11月の「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」の侍ジャパンメンバーにも選ばれている。
◯日本ハム・堀瑞輝(広島新庄高)
4試合 0勝1敗 防御率3.38
田中正義、佐々木千隼と2度の抽選を外し、将来性重視した高校生左腕へとシフトチェンジ。高校では1年夏からベンチ入りを果たし、2年夏、3年夏と甲子園出場。侍ジャパンU-18にも選ばれ「第11回 BFA アジア選手権」の優勝に貢献した。開幕1軍を逃したが、ファームで好投を続け、1軍に初昇格した8月9日の楽天戦(Koboパーク)で中継ぎでプロ初登板。同13日のソフトバンク戦(ヤフオクD)でも中継ぎで1イニングを無失点に封じる好投を見せた。3試合に中継ぎで登板すると、先発を見越して、一度、登録を抹消される。9月29日の楽天戦(札幌D)でプロ初先発。5回6安打1失点で初黒星を喫したが、将来性豊かな左腕で来季以降はローテに割って入ってきてもおかしくない存在だ。高卒ルーキーながら、11月の「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」の侍ジャパンに選出されている。
◯ロッテ・佐々木千隼(桜美林大)
15試合 4勝7敗 防御率4.22
ドラフトの長い歴史でも史上初の外れ1位での5球団競合となり、田中正義を外したロッテが抽選の末にロッテが交渉権を獲得した。プロ初登板初先発となった4月6日の日本ハム戦(ZOZOマリン)で、5回3安打1失点で初勝利をマーク。だが、制球難が課題として露呈し、そこから4連敗。7敗目を喫した7月5日の楽天戦(ZOZOマリン)に登録を抹消され、ファームでの再調整を課せられた。再昇格を果たした9月13日の日本ハム戦(札幌D)で9回8安打2四死球1失点でプロ初完投勝利を挙げ、続く同21日の西武戦(メットライフD)でも7回5安打2四死球1失点で勝利投手となり2連勝。課題克服の兆しを感じさせた。ローテを担う投手が不足しているチーム事情があるだけに、来季以降はローテの一角に入ってこなければいけない投手である。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)