ホークスOB斉藤和巳氏が占うパCSファイナルS、カギは「第1、2戦の勝敗」

梨田監督“2年目のジンクス”も影響?

 短期決戦は、試合の勝敗はもちろん、1点、ワンプレーが流れをガラッと変えることがある。ミスが許されない緊張感の中で行われる試合で、球場を埋め尽くすファンも1つ1つのプレーに一喜一憂。あらゆる要素が入り交じり、プレーオフはある種独特の雰囲気を生み出す。通算79勝23敗で勝率.775という高さを誇る斉藤氏だが、ポストシーズンでは通算10試合に登板して0勝6敗。「1勝もしてない僕は大きなことを言えませんが……」と苦笑いしながらも、「あの独特な雰囲気を味わえるのは、勝ち抜いたチームに与えられた特権。あの緊張感は、普段は味わえないものですね」と断言する。

「どうやって1点を取るか。どうやって1点を守り抜くか。その攻防から生まれる緊張感はたまらないものがある。もちろん、勝敗のカギを握るのは戦力ですが、目に見えない緊張感だったり、状況だったり、あるいは情報だったりも影響力を持ちます。

 例えば、梨田監督は近鉄でも日本ハムでも、就任2年目に日本シリーズに進出しているんですよ。今年は楽天の監督に就任2年目。偶然かもしれないですが、ファーストステージを逆転で勝ち抜いた時、この“2年目のジンクス”が頭をよぎった人も多いと思います。楽天の選手は『これはいけるんじゃないか』って背中を押されますよね。もしソフトバンクが最初の2戦で連敗したら、ソフトバンクの選手の頭に“2年目のジンクス”の情報が浮かんでくるかもしれない。短期決戦は、こういう目に見えない部分も大いに影響力を持ちます。

 ホークス初戦は東浜が先発なので、甲斐が先発マスクをかぶるでしょう。でも、彼にとって、これが初めてのプレーオフ。その影響はあるのか……なんて考え始めたら、勝敗に影響を与える可能性を持つ要素は数え切れないくらい。だからこそ、先手必勝。最初の2戦の戦い方が、シリーズの行方を決めると思います」

 ソフトバンクと楽天。どちらが先手を取るのか。決戦は18日にスタートする。

(Full-Count編集部)

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