大一番で3被弾ホークス東浜、リベンジ機会に意欲「引きずっていられない」
シリーズが3勝3敗にもつれれば、第6戦でリベンジのチャンスも
今季幾度となくチームを助けてきた大黒柱が、まさかのノックアウトとなった。18日、ヤフオクドームで行われた楽天とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ初戦。2年ぶりにリーグ優勝を果たしたソフトバンクの先発マウンドに上がった東浜巨投手が、6回途中でKOされた。
初回、いきなり茂木に先頭打者本塁打を許して先制点を献上すると、2回にはアマダー、4回にはウィーラーにもソロ本塁打を浴びた。この日許した安打は全てソロ本塁打の3本で、3失点。6回2死三塁となったところで無念の降板となった。
「改めて1球の失投の怖さを思い知らされた。失投をスタンドに持っていかれた。先に点を与えてしまって、流れを全部向こうに渡してしまった。申し訳ない」
試合後にこう口にした東浜。「良くも悪くもなかった」といい、状態も絶好調ではなかった。その中で気になったのは、ソロの打たれ方だった。
茂木の先頭打者本塁打は高めのボール球で、失投とはいえ、これは打った茂木を褒めるべきだ。ただ、アマダー、ウィーラーに許したソロは少し違う。アマダーへの投球を見ると、初球はカーブでボール、2球目は外角のスライダーを見逃してストライクを奪った。3球目は、外角低めのストライクゾーンからボールゾーンへと滑るスライダーで空振り。そして4球目、3球目と同じ外角低めを狙ったスライダーの高さが甘くなり、左中間席に運ばれた。
4回のウィーラーへの攻め方はこうだ。初球、2球目とボールになり、3球目は内角低めへのシンカーで空振りを奪った。そして4球目、真ん中付近へ入ったスライダーを完璧に捉えられ、バックスクリーンへと運ばれた。2本ともスライダーが、甘くなったところを打たれた。試合後、東浜は「狙われていたかもしれない。打ち方を見ると、そうだったのかもしれない」と口にした。
今季16勝を挙げ、最多勝に輝いた東浜だが、大事な初戦を落とし、役割を果たすことが出来なかった。とはいえ、まだやり返すチャンスがあるかもしれない。仮に6戦目までもつれ込んだ場合は、この日が86球での降板だったことを考えても、中4日で右腕が再び先発する可能性が高い。
「短期決戦なので、引きずってばかりいられない。次投げさせてもらえるのならば、それに向けて体を作っていきたい」と東浜。6戦目までもつれ込めば、その時は3勝3敗。ソフトバンクとしては、あまり喜ばしい状況ではないが、果たして右腕にリベンジの舞台は回ってくるのだろうか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)