PS防御率0.90、“鉄壁”田中将大が好調の理由を自己分析 一番の要因は…

「王手を掛けるか掛けられるか考えていなかった」その理由は…

 この日のマウンドは、勝てば王手が掛かり、負ければ王手を掛けられるという大一番だった。さぞかし気合の入った登板になったのかと思いきや、「勝って王手を掛けるか、負けて王手を掛けられるかっていうところは、別に考えてませんでしたし、そこが重要だとは思っていないので」と涼しい顔。試合中に何度も吼え、感情を露わにする場面があったが、それは王手云々以上に「自分の投球が(できるかどうかが)一番大事だと思うので集中していた」ためだった。

 5回1死一、二塁の場面で2者連続三振に仕留めるなど、走者を背負った場面での制球が光った。「単純に全ての球種が前回登板よりよかった」という中で、「うまく自分が優位に立ちながら相手打者のバランスを崩せたかなと思う」と手応えあり。自分の投球をするという基本に忠実なピッチングができたからこそ、チームを勝利に導けた。

 悲願のワールドシリーズ優勝を達成するには、あと5勝しなければならない。まずは王手を掛けたリーグ優勝決定シリーズを突破することが第一関門だ。

「これで終わりではない。どういう形になるか分からないですけど、明日から準備をしていかないといけないと思います」

 自分を褒めるのは、この日で終わり。悲願を達成するために、自分の持てる力をすべて出し切る。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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