超絶守備に二塁打2本、城所“躍動中”でソフトBの重い空気一変「まだ1勝」

守備では球場の空気を一変させる超美技「いっぱいのプレーかな」

 工藤公康監督はじめ、首脳陣による抜擢は的中した。1点を先制された初回に今宮が安打で出塁。城所はきっちりと犠打を決めて走者を進め、その後の2得点での逆転につながった。再逆転を許した3回には先頭で放った右翼線を破る二塁打が、内川の再々逆転3ランの呼び水となった。得点には繋がらなかったが、5回にも左翼線を破る二塁打を放った。3打数2安打と打線を活気づけた。

 さらに、5回の守備では、先頭ウィーラーの左中間への大飛球に猛然とダッシュし、打球がグラウンドへ落ちる寸前のところでスライディングキャッチ。「逆方向にきそうなイメージがあって、いいスタートが切れた。もうちょっと(落下点に)真っ直ぐいけたらよかったですけど、いっぱいのプレーかなと」と振り返るスーパーキャッチ。幾度となく球場の空気を一変させた。

「守備でも素晴らしいプレーをしてくれたし、あれだけのプレーができるというのは、よく今日の試合に備えてくれたと思います」。CSメンバーへの昇格、そして即スタメンを決断した工藤公康監督は、こう城所を称えた。打撃練習などでの好調さを買われての昇格だったことに「何で使ってくれたのか分からないけど…」とした城所は「見てくれていたんですね」と言う。

 昨季は交流戦MVPに輝いた城所だが、今季は4月4日の楽天戦(Koboパーク)で途中交代で守備に就いただけで、ファームに降格。1軍に戻ってきたのは、優勝が決まった後、ペナント終了が目前に迫っていた10月6日の楽天戦(ヤフオクD)だった。この時にようやく今季初先発。でも、3打席凡退で打率.000に終わった。

「則本はすごい投手なので、腹をくくってやろうと。使ってもらったのに、弱気じゃ、使った方も納得できないだろうし。応えたいと思っていた」

 もらったチャンス。何とかしたいという一心だった。

「まだ1勝しただけ。明日は明日の風が吹くので」と、試合後すぐに気持ちを切り替えていた城所。だが、この男の活躍で、風向きは確実に変わった。リーグ王者を覆っていた重苦しい空気は、どこかに吹き飛んだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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