完璧救援陣&伏兵の活躍 采配で勝利を手繰り寄せたソフトバンク

驚異的な投球を見せた救援陣

 投手陣を見ていこう。

〇先発投手

第1戦 東浜巨 0勝1敗 5.2回 自責点3 防御率4.76
第2戦 千賀滉大 0勝1敗 6.1回 自責点1 防御率1.42
第3戦 和田毅 0勝0敗 5回 自責点5 防御率9.00
第4戦 バンデンハーク 0勝0敗 4.2回 自責点2 防御率3.86
第5戦 武田翔太 1勝0敗 7回 自責点0 防御率0.00

 先発投手は優秀とは言えなかった。QS(先発で6回以上投げて自責点3以下)をクリアしたのは第2戦の千賀と第5戦の武田だけ。最多勝の東浜や、ベテランの和田も先発の責任を果たせなかった。

 こうした先発投手陣を完璧にフォローしたのが救援陣だ。

〇救援投手

岩嵜翔 4試1勝0敗0S0H4回 自責点0 防御率0.00
モイネロ 3試0勝0敗0S1H3.1回 自責点0 防御率0.00
森唯斗 4試0勝0敗0S1H2.2回 自責点0 防御率0.00
石川柊太 3試1勝0敗0S1H2.1回 自責点0 防御率0.00
嘉弥真新也 3試0勝0敗0S1H1回 自責点0 防御率0.00
サファテ 3試0勝0敗2S0H3回 自責点0 防御率0.00

 なんと、6人の投手がのべ20試合投げて、自責点は0、完璧な救援を果たした。中盤以降、1点でもリードすれば、あとは「勝利の方程式」が完全に機能したのだ。

 先発投手陣が28.2回で1勝2敗、防御率3.45に対し、救援陣は16.1回で2勝0敗2セーブ4ホールド。楽天が新鋭宋家豪が打ち込まれ「勝利の方程式」が破たんしたのと対照的に、ソフトバンクはこの完璧な救援陣でチームを勝利に導いた。

 こうしてみると、ソフトバンクは「脇役」の活躍で勝ち抜いたことがわかる。こうした選手をうまく起用し、力を出させた工藤公康監督の、采配の勝利という部分も大きいだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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