完璧救援陣&伏兵の活躍 采配で勝利を手繰り寄せたソフトバンク

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

楽天に競り勝ち日本シリーズ進出を果たしたホークス

 パ・リーグのCSファイナルステージは、勝率1位のソフトバンクが3位の楽天を4勝2敗(アドバンテージ1勝含む)で下し、日本シリーズに駒を進めた。連敗からスタートしたソフトバンクだが、徐々に地力の差をみせつけた。その勝因を投打別にみていこう。

 打線に関しては、レギュラーシーズンの実績にこだわらず、「今使える選手」を積極的に使ったことが、成功した。

〇CSファイナルステージの個人打撃成績

中村晃 5試19打7安1本3点 打率.368 
内川聖一 5試18打7安4本7点 打率.389 
松田宣浩 5試18打5安1本5点 打率.278 
今宮健太 5試19打4安1本1点 打率.211 
長谷川勇也 5試10打4安0本1点 打率.400 
デスパイネ 5試17打3安1本2点 打率.176 
明石健志 4試12打2安0本0点 打率.167 
高谷裕亮 4試7打2安0本1点 打率.286 
城所龍磨 3試6打2安0本0点 打率.333 
柳田悠岐 1試4打2安本1点 打率.500 
福田秀平 4試3打1安0本0点 打率.333 
甲斐拓也 2試4打1安0本0点 打率.25 
川島慶三 2試4打1安0本0点 打率.25 
吉村裕基 2試2打0安0本0点 打率.000 
上林誠知 2試5打0安0本0点 打率.000 
本多雄一 2試4打0安0本0点 打率.000 
江川智晃 1試1打0安0本0点 打率.000 
鶴岡慎也 1試1打0安0本0点 打率.000 

 内川聖一は今季、故障のため73試合しか出場していないが、このシリーズ前の時点で、CS歴代2位の91打数33安打、打率.363を記録している。使えるならば絶対に外せない選手だった。その結果4試合連続ホームランのCS記録の活躍、シリーズのMVPも獲得した。

 1、2戦は中堅は、シーズン中レギュラーだった上林を使ったが、打てないとみると3戦目からスパッと代えて、今季無安打の城所を使い、第3戦では二塁打2本の活躍。さらに今季わずか8安打の長谷川勇也も3戦目から先発出場させ、10打数4安打と結果を出させている。

 シーズンの正選手でも、打てなければどんどん代えるという工藤監督の方針が、選手を発奮させたという一面もあっただろう。

 なお、このシリーズは「つなぐ野球」の戦いだった。楽天は11犠打、ソフトバンクも10犠打を記録、これが得点経過に大きな影響を与えた。城所は、出場した3試合で全て犠打を成功させている。目立たないが、2二塁打も含め、この選手が、シリーズのキーマンの一人だったと言えよう。

驚異的な投球を見せた救援陣

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