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「異なる言語への変換」だけではない 通訳が得る、人生の財産となる“感覚”

外国人選手が日本で活躍するためには、まさにこの通訳という存在が欠かせない。言語が通じない監督・コーチとコミュニケーションを取って考えを共有すること、さらにはチームメートと真の仲間になっていくためには様々な場面で“架け橋"となる通訳が大きな役割を担う。

日本ハムが通訳を募集【写真:Getty Images】
日本ハムが通訳を募集【写真:Getty Images】

外国人選手が日本で活躍するために欠かせない存在となる通訳

「通訳」:互いに言語を異にしてその意思を通じがたい人の間にたって、双方の語を訳して相手方に伝えること。(引用:広辞苑)

 外国人選手が日本で活躍するためには、まさにこの通訳という存在が欠かせない。言語が通じない監督・コーチとコミュニケーションを取って考えを共有すること、さらにはチームメートと真の仲間になっていくためには様々な場面で“架け橋”となる通訳が大きな役割を担う。

 異国で生活をすることだけでも様々なフラストレーションや不安が付きまとう。外国人選手たちは日々暮らすだけではなく、チームの救世主として期待され、異国のグラウンドで最高のパフォーマンス、つまり結果を求められる。そんな外国人選手たちの不安を少しでも取り除き、異国の地でも本来のプレーができる環境を作るために通訳は奮闘している。

 2013年6月26日、場所は東京ドーム。

 当時、なかなか結果が出ずに苦しんでいたマイカ・ホフパワー選手(北海道日本ハムファイターズ)。本来の力を発揮してほしいという一心で、佐藤通訳(当時。現ロサンゼルス・ドジャース通訳)は懸命にコーチ・監督とホフパワー選手を“つなげよう”と公私に渡って献身的に任務に当たっていた。日本人同士であれば指導者は選手に声をかけ、また選手は指導者に自身の状態や悩みを打ちあけることで共に解決策を探っていくことができる。しかし、同じ言語を持たない外国人選手にとって一見何でもないこのコミュニケーションが容易ではない。選手と指導者をつなぐ架け橋が必要となるのだ。

 6月、1軍に残っていくためのラストチャンスとも思われていた東京ドームでの一戦。試合は劣勢の展開だった。8回1ストライク――。ホフパワー選手に代打での出番が巡ってきた。打球は力強く放物線を描き観客席へ。HRという最高の結果を出した。

 実はこの時、ホフパワー選手は膝の状態が万全ではなく、トレーナーから制限され、全力で走ることができていなかった。それがチーム内で誤解を生んでいたような雰囲気があると感じた佐藤通訳は、それを解くために栗山監督の元へ行き、架け橋となって奮闘していた。

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