“日陰”からのスタートで躍進 ホークス2010年ドラフト、7年目の結実

育成からも支配下選手を続々輩出

育成3巡目:伊藤大智郎(投手・誉高)
7年間1度も支配下登録は叶わず、プロ野球史上最長期間、育成契約を結んでいる。今年の4月、トミー・ジョン手術を受けた。

育成4巡目:千賀滉大(投手・蒲郡高)
2017年、第4回WBCでベスト4に貢献。日本人選手唯一のベストナインに選出される。プロの捕手でさえ簡単には止められない「お化けフォーク」が代名詞。今季、育成出身選手としては史上初となる2年連続の2桁勝利を達成した。

育成5巡目:牧原大成(内野手・城北高)
2012年、支配下登録。今季はファームで35試合、打率.237。

育成6巡目:甲斐拓也(捕手・楊志館高)
チームの捕手ではもっとも小柄だが、12球団最速の二塁送球スピードを誇る強肩。2013年支配下登録され、今季、プロ入り初のスタメンマスクを被る。同い年の千賀投手とバッテリーを組み、守備力と勝負強い打棒で大躍進を遂げた。

 2010年のドラフトで指名された選手は、今季が7年目のシーズンだった。パ・リーグのチームでは、主な選手としてほかに牧田(埼玉西武・2位)、秋山(埼玉西武・3位)、西川(北海道日本ハム・2位)、駿太(オリックス・1位)、塩見(楽天・1位)、美馬(楽天・2位)が名を連ねている。

 華々しくプロ野球生活をスタートさせる選手もいれば、日陰からスタートし、日々の努力を積み重ねて、1軍を目指す選手もいる。ここでは福岡ソフトバンクの7年前のドラフトを振り返ってみたが、この世代でもすでに現役を引退した選手は少なくない。

 今年もまた、溢れんばかりの希望を胸に、多くの選手が日本プロ野球界の一員となる。上記の通り、指名の順位は選手の実力を判断する指標にはならない場合もある。アマチュア時代の実績も名声も助けにはならない厳しい世界。時間は非情なほどに限られている。あらゆる不安と隣り合わせになりながら、それでもこの競争を生き抜く選手たちの勇姿を、これから目に焼き付けたい。

【動画】ソフトバンク・千賀、これが世界を驚かせた『お化けフォーク』

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