光る存在感ホークス柳田、2戦連続で先制の口火、復帰後3戦連続マルチ安打
7回には近距離から“リプレー”逆転を好アシスト
この男が打つと、チームが乗る。そう十分に感じさせた。29日、ヤフオクドームで行われた日本シリーズ第2戦。ソフトバンクの勝利の立役者の1人は、柳田悠岐外野手だった。右脇腹肉離れから復帰したばかりの男は、やはりソフトバンクに不可欠な存在だった。
2試合連続で背番号9が口火を切った。初回。DeNA先発の今永の初球を捉えて右前安打。「ギャン詰まりしましたけどね(笑い)。点が入って良かったです」。今宮の犠打で二塁へ進むと、デスパイネの左前適時打で、先制のホームへと帰ってきた。わずか5球。電光石火の先制攻撃で、2試合連続で初回に先制点を奪った。28日の第1戦のリプレーを見ているかのような光景だった。
2点ビハインドで迎えた7回には1点差に迫るタイムリーも放った。1死三塁で打席に入ると、砂田の真っ直ぐを中前へ。DeNAは遊撃の倉本がやや浅め、二塁の柴田は柳田の強烈な打球に備えて深い守備位置を取っていた。「セカンドゴロなら1点だと思って、とりあえず前に飛ばそう、アウトになっても1点は取ったろう」と打った打球は二遊間を破っていった。
その後、2死満塁となり、中村晃の適時打で同点のホームを踏んだ。生還した直後、逆転の本塁を狙った今宮がヘッドスライディングで突っ込んできた。球審の判定はアウトだったが、間近で見ていた柳田はセーフのアピール。ベンチを飛び出した工藤公康監督の要求もあってリプレー検証が行われた。その結果、判定が覆り、逆転に成功した。
試合後は「手が先に入ったように見えたので。リプレー検証になれば、チャンスはあるんじゃないかと思いました」と振り返った柳田。クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第5戦で復帰したばかりだが、その復帰戦、そして日本シリーズ第1戦、第2戦と3試合連続マルチ安打を放つなど、バットでもきっちり貢献している。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)