田中将大のヤ軍残留にNYメディアは好意的「来季は再び王者級の先発ローテ」
契約破棄の権利を行使せず、辛辣NYメディアも歓迎「ヤ軍とGMにとって喜ばしい一日」
ヤンキースの田中将大が3日(日本時間4日)、契約を破棄してフリーエージェント(FA)になれる「オプトアウト」の権利を行使しないことを球団を通じて発表した。これで、2020年までヤンキースでプレーすることが決定的に。好不調の波が激しかった今季は厳しい批判を浴びせることもあったニューヨークメディアだが、ポストシーズンで圧巻の投球を見せた右腕の決断に対して反応は上々。早くも来季の先発ローテーションが決まったと歓迎している。
田中は2014年にヤンキースと7年総額1億5500万ドル(約176億8000万円)の大型契約を結んで楽天から加入。4年目終了時点で、自ら契約を破棄してFAになれる「オプトアウト」の権利が盛り込まれていた。さらにいい条件での契約を引き出せる可能性があるとの評価もあったが、「ヤンキースに残るという決断は私にとって決して難しいものではありませんでした」と残留を表明。愛着のあるヤンキースとは3年6700万ドル(約76億4000万円)の契約を残している。
今季レギュラーシーズンは浮き沈みが激しく、30試合登板で13勝12敗、防御率4.74と苦しんだ田中。だが、昨年は31試合登板で14勝4敗、防御率3.07という好成績を残し、サイ・ヤング賞投票では7位に入っていた。エース級の実力の持ち主であることは間違いなく、今季もシーズン終盤からはしっかりと修正し、結果を残した。
さらに、ニューヨークで最も重視されるポストシーズンでは、3試合登板で2勝1敗、防御率0.90と圧巻の活躍を見せた。まさに“ヤンキース好み”ともいえる絶大な勝負強さを見せつけ、信頼も回復。レギュラーシーズンでは酷評することもあった辛辣なニューヨークメディアも、その働きぶりを絶賛した。
田中のヤンキース残留の決断を受け、地元紙「デイリー・ニューズ」は「マサヒロ・タナカの残留で、ヤンキースは再びチャンピオン級のローテーションで2018年を迎える」との見出しで報じた。記事では「マサヒロ・タナカのオプトアウトをしないという決断で、キャッシュマンGMは来季以降に向けて先発投手を新たに補強するというプランBを考慮しなくてもよくなった」と言及している。