鷹サファテ、衝撃3イニングでMVP 工藤監督が明かす“舞台裏”
ソフトバンク日本一導いたサファテ“決死のリリーフ”
やっぱり、サファテには勝利がふさわしい。2017年の最後はこの男しかいなかった。日本一を決めたDeNAとの日本シリーズ第6戦。ソフトバンクの「キング・オブ・クローザー」デニス・サファテ投手が前代未聞のリリーフで、劇的なサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
1点ビハインドで迎えた9回。勝利を信じて、サファテがマウンドに上がった。「今日は9回にいって、あの回を3人に抑えれば、デスパイネ、ウッチー(内川)、(中村)晃が何とかしてくれるというのがあった」。嶺井、倉本、桑原を3人で切ると、本当に味方が点を取った。
9回1死から、内川が左翼ホームランテラス席へ飛び込む起死回生の同点ソロを放った。延長戦。守護神は決意した。「追いついてからは自分がいけるところまでいって、その間にみんなが必ず点を取ってくれると思っていた」。延長10回も当然のごとくマウンドに上がると、走者を2人出したが、無失点で切り抜けた。その裏、味方打線も無得点に終わると、背番号58はマウンドに再び上がった。
まさかの3イニング目。決死のリリーフだった。2011年に来日してから初めてとなる3イニングの救援。それでも、白崎を空振り三振に仕留め、嶺井には中前安打を許したが、倉本、桑原を切って取った。雄叫びを挙げる守護神。この気迫が、その裏のドラマを呼び込んだ。延長11回2死一、二塁から川島が右前へのサヨナラ適時打。劇的な幕切れで日本一が決まり、サファテは「2014年、2015年と日本一になっているけど、今年は忘れられない日本一になる」と興奮気味に語った。