ソフトB戦力外の大隣が胸中激白 「このままじゃまだ終われない」

「どうしたらいいんだろうという『?』の状況ではなかった」

 今季、ウエスタンリーグの成績は22試合に投げて6勝4敗、防御率5.20と決して良くはない。それは「どうしたらいいんだろうという『?』の状況ではなかったので。いろいろと試しながら1年やってきた。下半身が動かないと投げられないので、そこは意識してやってきましたし、継続しながらやっていくしかない。ちょっとずついいなと思ってきている」と試行錯誤を繰り返しながら、プレーしてきたことも影響している。

 さらに言えば、メンタル的に難しい部分もあったはずだ。状態を取り戻し、好投が続いても、1軍昇格のチャンスはなかなか来ない。分厚い選手層、そして、台頭する若手にチャンスが与えられるのは競争社会では当然だった。

「気持ちの難しさの部分はあった。結果を出しても上がれないし、テンションも上がらない状況でやっていた。1軍に行って気持ちが入るところで投げて結果が出るかもしれないし、これはやってみないと分からない」

 チャンスのあるところでチャレンジしたいと思うのも、選手としては当然の渇望だった。

「チャンスをもらってダメなら、きっぱりいけるんでしょうけど、今のままではやめられない」という大隣。他球団からの打診がなければ、15日に行われる12球団合同トライアウトを受けるという。球速は140キロに達するのがやっと。ただ、精密なコントロールと緩急を使った投球は芸術的である。同じ病を背負った人に、夢と希望を与える使命も持つ。大隣憲司。まだ、輝けるはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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