韓国破り完全優勝、U15侍で輝いた逸材 打率5割超&MVPで個人タイトル“6冠”
普段は少人数のチームでプレー、大会中は“地元応援団”の声援も
長兄・勇人さんは白根巨摩中3年時に全国中学校軟式野球大会に出場、次兄・裕貴さんも中学時代に関東大会に出場している。しかし、そんな野球熱の高い地域でも、1学年の人数が少なかったり、3学年合わせても9人に満たなかったりと昨今の野球人口減少問題の波は押し寄せている。白根巨摩中野球部の同級生は功刀を含めて5人。今年は1年生が10人以上、入部したものの、1つ上の先輩も、1つ下の後輩も2人と少人数のチームで、助っ人を借りたり、隣の中学校との合同チームを組んだりしながら、野球や試合を続けてきた。
今大会、活躍できた要因を「チーム全員でコミュニケーションをとっていたのでリラックスして打つことができたと思う」と話した功刀。父・稔さんは「チーム事情から同級生で9人がそろわないチームでやってきたので、最高に楽しかったと思います。(チームでは)逆に自分がしっかりやらないといけないというのがあったかもしれないですね」と話し、チームを慮って「部員が増えるといいですね。田舎の星であってほしい」と期待する。
大会中には近所の人たち約20人がバスで応援に駆けつけ、日の丸入りの鉢巻を付けて「史也! 打てー!」と大声援を送っていた。地域にも育てられ、「親、学校、地域の方のサポートがあり、そういう人たちの力でここまで来て打てたと思います」と感謝を忘れなかった功刀。普段はピッチャーやキャッチャーで、今大会は慣れない外野を守り、攻守にわたって4大会ぶりの優勝に大きく貢献した。今回の成績を自信に高校野球に挑戦する。
「MVPとか取らせていただいて、今後もしっかりしないといけないなと思いました。高校で甲子園を目指していく上で、この経験を生かして頑張りたい。ここで打った思い出をしっかり胸に刻み、泥臭く、やることをしっかりとやる高校球児になりたいです」
侍ジャパンU-15代表で得た、かけがえのない経験を糧に、次のステップに進む。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)