志願の前倒し参加で苦悶の表情 鷹ベテラン五十嵐が「走り漬け」選択の理由
下半身を作り直すことを選択、「身体がどう変化するのかも確認したい」
7月11日の楽天戦(ヤフオクD)で左太もも裏を肉離れした右腕。全治まで8~12週と診断されていたが、2か月経過していない9月8日には1軍に復帰した。太ももの状態を考え、状態を回復させることを最優先にした。走り込みなどをじっくりと行わないままに1軍に復帰。ただ、やはり万全とはいえなかったという。
「走れてはいたけど、最低限のところでやっていた。それ以上やったら切れる可能性があるのなら、そこまで勝負する必要はないと思っていたので。その中でどれだけピッチングのパフォーマンスを上げていけるかを考えてやっていましたね。走るって体のリズム、ピッチングのテンポというところに繋がってきやすくて、それが自分の中で掴めないというのはあったんじゃないかな。極端にパフォーマンスが落ちているとは思わなかったけど、どこかしっくりこないところがあった」
そのため、改めて下半身を作り直し、オフの自主トレ、来春のキャンプに備えることを選択した。
秋季キャンプの参加は、2013年以来。「今回のキャンプではウエートトレーニングは一切やらずに、走ることをメインで。身体がどう変化するのかも確認したい。投げることもほとんどやらないで“走り漬け”ですね。走ることを目的としてきたからね。初日にしてはキツかったけど、充実ですよ」。
向上心が尽きることのない38歳。21年目のシーズンに向けて、五十嵐は早くもスタートを切った。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)