大谷を巡り米メディアが報道合戦、地元球団に進言「獲るべき」「フィット」
廉価で契約できる“二刀流”スターに引く手あまた
11日に記者会見を開き、自ら今オフのメジャー移籍希望を公言した日本ハムの大谷翔平投手。球団もポスティングシステム(入札制度)を利用した移籍を承認し、米代理人も決定するなど、着々と準備が整っている。だが、日米間のポスティングシステムは現在失効中で、正式な手続きは踏まれていないため、メジャー各球団はいずれも正式な参戦表明をしないままだ。一方、米メディアでは、早くも「大谷メジャー到来」で大きな盛り上がりを見せている。各球団の地元メディアは「獲得するべき」「補強ポイントにフィットする」など様々な形で、地元チームへの“誘致合戦”を繰り広げている。
これまで、日本球界からポスティングシステムを使ってメジャー移籍する選手を獲得する場合、フリーエージェント市場のトップ選手と契約するくらいの大型資金が必要とされた。過去の例を見れば、2007年にレッドソックス入りした松坂大輔投手はポスティング費用として5111万1111ドル11セント(約58億円)+6年総額5200万ドル(約59億円)、2012年にレンジャーズ入りしたダルビッシュ有投手はポスティング費用として約5170万ドル(約58億6800万円)+6年総額6000万ドル(約68億1000万円)、2014年にヤンキース入りした田中将大投手はポスティング費用で2000万ドル(約22億7000万円)+7年総額1億5500万ドル(約176億円)と天文学的数字が並ぶ。それだけに、契約できるのは資金が潤沢なチームに限られていたが、今回の大谷の場合はMLB労使協定により、契約金は最大でも300万ドル前後(約3億4000万円)で、米国内のアマチュア選手同様のマイナー契約しか結べないため、財政に限りにあるチームでも獲得に乗り出せる。さらに、大谷自身が、金銭の問題ではなく、メジャーで野球をしたいという情熱に駆られて移籍を表明した背景もあり、環境面や起用法などのプレゼンテーション次第では全30球団に獲得できる可能性がある。