「WHIP」で見る投手の安定感…抜群の菊池、異次元のサファテ【パ編】

日本セーブ記録更新のサファテは約2イニングに1走者

 続いて、50試合以上投げた救援投手のWHIPも見ていこう。

サファテ(SB)0.67(66試2勝2敗54S3H 66回 防御率1.09)
鍵谷陽平(日)0.88(60試2勝3敗1S17H 57回 防御率2.53)
増田達至(西)0.96(57試1勝5敗28S4H 56.1回 防御率2.40)
岩嵜翔(SB)0.98(72試6勝3敗2S40H 72.1回 防御率1.99)
牧田和久(西)1.02(58試3勝3敗0S28H 62.2回 防御率2.30)
福山博之(楽)1.06(65試6勝0敗7S23H 59.2回 防御率1.06)
近藤大亮(オ)1.078(55試1勝1敗1S25H 55.2回 防御率3.07)
松井裕樹(楽)1.082(52試3勝3敗33S5H 52.2回 防御率1.20)
武隈祥太(西)1.099(58試5勝2敗0S13H 57.1回 防御率3.14)
増井浩俊(日)1.101(52試6勝1敗27S7H 52.2回 防御率2.39)
宮西尚生(日)1.131(51試4勝5敗0S25H 40.2回 防御率3.32)
森唯斗(SB)1.135(64試2勝3敗1S33H 64.1回 防御率3.92)
ハーマン(楽)1.15(56試3勝1敗1S33H 53回 防御率2.72)
有吉優樹(ロ)1.16(53試2勝5敗1S16H 53.1回 防御率2.87)
大谷智久(ロ)1.17(55試3勝2敗0S23H 52回 防御率3.12)
黒木優太(オ)1.22(55試6勝3敗2S25H 53.1回 防御率4.22)
松永昂大(ロ)1.24(50試1勝3敗0S18H 36.1回 防御率3.22)
平野佳寿(オ)1.27(58試3勝7敗29S8H 57.1回 防御率2.67)
内竜也(ロ)1.31(50試5勝1敗16S11H 49回 防御率2.94)
シュリッター(西)1.37(64試1勝5敗0S32H 63.2回 防御率2.83)

 NPBのセーブ記録を更新したサファテのWHIP0.67は、異次元とも言うべき凄さだ。救援でマウンドに上がって、ほとんど走者を出さなかった。多くの打者は手も足も出なかったのだ。

 今季サファテに続いて優秀なクローザーだったのは楽天の松井裕樹だが、彼のWHIPは1.08。決して悪い数字ではないが、失点リスクという点において、サファテとは大きな違いがあった。それでも防御率1.20だったのは、塁上に走者を置いた場面で松井が良く踏ん張ったということを意味している。

 西武のシュリッターは32ホールドを記録するなどセットアッパーとしては優秀だったが、WHIPは1.37でサファテの倍以上もの走者を出した。シーズン前半はそれでも何とか抑えきったが、後半は打たれることが多かった。西武がシュリッターと来季の契約を結ばなかったのは、成績は上げても安定感に欠けたからだろう。

 次々と新しい指標が生まれるMLBでは、WHIPは一昔前の数値とされているが、NPBではまだ浸透していない。一昔前の数値であっても、WHIPを使えば投手の安定感が浮かび上がってくる。1つの評価として、まだまだ有効な数値と言えそうだ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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