レギュラー獲得と戦力外…明暗分かれた、誕生日1日違いの2人の「たいし」

2軍屈指の通算成績を記録しながら、今年明暗が別れた2人

 そんな2人が初めて1軍で100打席以上立ったのは、ともに2015年。大田は後半には2軍落ちするが、130打数36安打1本塁打3打点、打率.277を記録。長打が少なく物足りないが、1軍定着のきっかけをつかんだように思われた。

 中川はこの年、プロ入り初本塁打をマーク。187打数44安打5本塁打21打点、打率.235、満塁本塁打も記録。当時の大久保監督は中川の長打力を評価してスタメンに使い続けた。

 2人は、ようやく活躍の機会を得たかと思われたが、翌2016年、両軍ともに監督が交替し、ともに出場機会は減る。

 そして2017年、大田泰示は吉川光夫・石川慎吾との交換トレードにより公文克彦と共に日本ハムに移籍。ここでレギュラーの座をつかみ、427打数110安打15本塁打46打点、打率.258ではあったが、はじめて規定打席に到達した。入団9年目にしてようやく真価を発揮しつつある。

 しかし、中川大志は一塁にアマダー、三塁にウィーラーと強打の外国人選手が座ったために、今年も1軍に定着できず。2軍では280打数79安打9本塁打50打点 打率.282。打点はリーグ5位と強打者ぶりを発揮したが、このオフに戦力外となった。

 2軍の通算成績は、大田が593試合2319打数618安打90本塁打338打点、打率.266、中川が714試合2447打数673安打65本塁打401打点、打率.275。長打力では大田、確実性では中川に長があるが、ともに2軍屈指の成績を上げながら、今オフ、明暗を分けた。

 プロ野球は実力の世界だが、同時に運も付いて回る。2人の「たいし」は、ほぼ互角の実力の持ち主ながら、めぐりあわせの違いによって、一方はレギュラーの座をつかみ、一方は球団を去った。

 こうしたドラマは、毎年、いくつも生まれている。これもプロ野球の面白さだと言えよう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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