西武にはこの上なく大きな「補強」 兼任コーチで古巣復帰、松井稼の挑戦

上昇気流に乗る西武にとって大きな力に

 2011年から日本に復帰し、楽天に入団。レギュラーの座をつかむと、年齢を感じさせない質の高いプレーを随所で披露した。豊富な経験をチームに還元して若手の手本となり、2013年にはキャプテンとしてチームを創設以来初となる日本一に導く。2014年の終盤に外野手へ転向してからも、精神的支柱としてチームを支えてきた。

 ただ、ここ2年は若手の台頭によって出場機会が減少し、今季は44試合の出場にとどまる。そしてこのオフ、楽天は年齢のこともあってコーチ就任を打診。だが松井稼は現役続行を希望して退団を決断するに至り、そこに埼玉西武が名乗りを上げる。こうして選手兼テクニカルコーチという肩書きで、15年ぶりとなる古巣復帰が決まった。

 卓越した身体能力と技術を武器に一時代を築き上げ、ベテランとなってからも国内外で様々な経験を積んできた松井稼。伸び盛りの若手たちの奮闘もあって4年ぶりとなるAクラス入りを果たし、今まさに上昇気流に乗りつつある埼玉西武にとっては、その経験とーダーシップが大きな力となるはずだ。

 これまで4度の日本シリーズを経験している松井稼だが、楽天時代の優勝が自身唯一の「日本一」。西武時代に進出した3度の大舞台ではいずれも苦杯を嘗めており、皮肉にも松井稼が埼玉の地を離れてから、チームは2度の日本一に輝いている。自身初となる「埼玉西武での優勝」に向けて。42歳となった松井稼の、新たな挑戦が始まる。

【動画】記者会見に出席し古巣ユニフォームで背番号 「7」 をお披露目した松井稼頭央

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