チームを愛し、愛される投手―オリ・ディクソン、今の目標は「日本人扱い」
来季こそは2桁勝利へ
ディクソンはアメリカ合衆国アラバマ州出身。金髪に青い目を持ち、すらりとした195センチの長身だ。投球スタイルは、140キロ台のツーシームと伝家の宝刀ナックルカーブを主とし、スライダー、チェンジアップを織り交ぜて「打たせて取る」タイプ。不調のときは被本塁打が多い一方、球界屈指のグラウンドボーラーでもあることは周知の事実だろう。
来日から5年。真面目な性格と確かな実力でオリックスの「投」の主力として立場を確立したディクソンだが、毎年あと一歩のところで2桁勝利を逃してしまっていることもまた、よく取り沙汰される話題である。2013年と2015年以外は負け越しを喫しており、勝率も5割を上回ったことがない。通算の防御率は3.30と安定しているが、自身の調子と打線がかみ合わないこともあって、なかなか大台に手が届かないままだ。
惜しいところまで行きながら夏場以降に不調に陥るのは、ディクソン自身も2桁勝利への思いが強く、それを意識するあまり本来の力が出せていないからではないか、という意見もあるようだ。1年目から毎年、ほとんど故障もなく8勝以上しているため、球界でも指折りの素晴らしい外国人投手であることは間違いないのだが、好調時の投球を見ているとさらなる期待を抱いてしまうのも人情というものだろう。
今季、オリックスはロメロ、マレーロなどの新外国人選手を新たに獲得したが、いずれも優れた成績を残してチームに貢献した。ディクソンはこの「後輩」たちにも日本球界で成功するためのアドバイスを送っており、単純な戦力として以上の役割を果たしてくれている。今の目標の1つは「日本人扱い」。来季こそは、この愛すべき右腕のさらなる活躍、そして2桁勝利に大いに期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)